是枝裕和監督最新作「DISTANCE」完成披露試写会
2001年3月6日 12:00
「幻の光」「ワンダフルライフ」で海外でも高い評価を受けている是枝裕和監督最新作「DISTANCE」の完成披露試写会が、6日、渋谷・シネマライズにて行われた。本作は、ある殺人事件の加害者遺族を中心に宗教をめぐる人々の心の距離を真摯に見つめた物語。この日は是枝監督をはじめ、ARATA、伊勢谷友介、寺島進、夏川結衣、浅野忠信、遠藤賢一ら出演者たちが舞台挨拶に立った。
今回の撮影には予め脚本が用意されず、俳優たちには簡単な設定だけが伝えられ、セリフや動きは俳優自身に一任された。「風花」「PARTY7」など出演作がヒットを続けている浅野忠信は自身の役柄について「映画の撮影に入る前に、監督に『走れメロス』を読んでと言われたけれど、僕はそのユダの役でした。すごい役です。ヤバイ人です」とコメント。遠藤憲一は「憧れの監督と一緒に仕事ができて嬉しいです。好きなように演技していいということだったので、ベランダで夏川さんと話すシーンで、きれいなひとだなあと思って脈略もなくキスしたらカットされました。ごちそうさま」と話し、場内は笑いに包まれた。宗教や家族、人の生死がテーマの本作について監督は、「重いテーマですが、目をそむけずに観てください」と語った。本作は、初夏よりシネマライズほかにてロードショー。