ジェノサイド・ホテル

ホテル・ムンバイと比べると…

ムンバイテロ、正直全く覚えてない。この映画では登場人物の背景描写が希薄で、それぞれが断片的であり、中々物語に入っていけない。ペースもまったりしており、映画としては×しかし、ホテルに籠もった人々は実際は何がどう起きてかわからないまま、殺されてしまったんだろうと、ある意味リアルに描かれているかもしれない

　同じ同時多発テロを描いたものだけど、こちらは20階での出来事と心理面を中心に見せている。おじいちゃんと女の子、アメリカ人夫婦、そして元記者と家族たちなど。群像劇風にストーリーは進むが、辛くも20階に集まった面々は二人のテロリストに怯えることになった。

　序盤からショーンの独白で始まり、色彩豊かなヒンドゥ儀式を交えて、悲惨なテロとは対照的に芸術作品のように描かれる。人々の心が一つになった瞬間。これもまた勇ましくも美しくも表現されているのですが、クライマックスの映像と音響がドアを叩くことに集約され、恐怖よりも鬱陶しさを感じてしまった。「治安部隊ですよ～助けに来ましたよ～」と、同じセリフを繰り返すテロリスト。緊迫感もあるにはあるが、何か別の表現もあったんじゃないかと・・・

2008年、インドのムンバイで起きたイスラム過激派によるテロ事件があり170名の死者を出している。
この時狙われたタージマハル・ホテルに焦点を当て、隠れる宿泊者と犯人グループを描いている。
銃を持つ犯人と武器を持たない宿泊者では勝負にならないのに、執拗に描いているのはとても辛い。