アリーケの詩(うた)

2011年製作/86分/アメリカ
原題:Pariah

スタッフ・キャスト

監督
製作
ネキサ・クーパー
製作総指揮
スパイク・リー
サム・マーティン
ジェフ・ロビンソン
アン・ブラッドリー
スーザン・ルイス
脚本
ディー・リース
撮影
ブラッドフォード・ヤング
編集
マコ・カミツナ
音楽
スパーラ・スワ
タマール=カリ
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映画レビュー

4.5原題はPariah

2022年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

原題の「Pariah」で検索したら配信があった。黒人コミュニティの中の同性愛者の苦悩を描いた『ムーンライト』がオスカーを取るよりも、早く製作されていた作品。
『ムーンライト』は黒人のマッチョイムズ的な男性観の中で苦しむ同性愛者の姿が描かれていたが、こちらは女性の話。黒人男性のストーリーはそれなりに作られてきたが、女性の物語はやはり比較的少ない。父親の権力が強い黒人家庭の中で、母は厳格なクリスチャンで女は女らしく振舞うべきと娘である主人公を教育する。抑圧的な家庭から脱出したい主人公の、それでも家族を愛している葛藤を丹念に見せている。
隠れてレズビアンクラブに通う主人公には彼女がいるが、別の同級生と仲良くなり始め、その彼女は次第に悪い連中とつるんでいくようになる。成績優秀な主人公は、自分らしく生きるために、この町を出るかどうかの決断を迫られていく。
黒人、女性、同性愛者のいわばトリプル・マイノリティと言える主人公の造形が、あらゆる差別を相対化している。押し付けるような主張はなく、こうした背景を1人の高校生の青春ものとして描いている。とても感動した。

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杉本穂高
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