「今後の展開の動向に注目」劇場版「進撃の巨人」Season2 覚醒の咆哮 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5今後の展開の動向に注目

2018年1月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

難しい

 第1期の放映で名の通り衝撃とともに絶賛を博した作品の、第2期の総集編です。TV放映の際のオカズ的要素でさほど重要性のない部分をカットし、全体には見やすくなっているかと思います。勿論TV版未視聴でも理解できますが、1期未視聴の場合はかなり難しい内容です。
 今回は1期より巨人の謎についての掘り下げが進むのが主軸となり、人類対巨人の構造は若干ウエイトを落としている感があります。ですが、人類と巨人の入り乱れての乱戦描写は見どころがありますし、TVで見るより劇場の方が断然迫力が違います。
 ただし、上記部分においては『立体機動装置』なる斬新なアイデアがそのビジュアルからも驚きと衝撃を与えられた最たる部分で(実写化がコケる要因の1つ)、その迫力と臨場感を伴っためまぐるしい描写を一番に期待していると、僅かばかりパワーダウンが否めません。それよりも今後は増々巨人対巨人戦の頻度も多くなりそうで、ソチラは巨人の特徴や素質の違いこそあれ格闘技の見た目に類似する部分もあり、前者に比べれば筆頭に値する見どころには些か足りないものを感じてしまうのは否めません。その辺が第3期においての工夫なりを期待する部分でもあります。
※原作漫画未読ですが、情報によると戦闘シーンそのものが減ってくる傾向にある様なニュアンスもあり…
 そこで個人的には、キャラの掘り下げに目線を向けました。特にミカサのヤンデレっぷりは妙な意味で楽しめる部分かと思われ、リヴァイ兵長も同じ意味では露出が少なかったのが残念です(原作通りで仕方ない部分)。またエレンのガキっぽい脳筋描写には演出意図のソレが活きているのかイライラさせられますw
 今年の夏期からの第3期に向けてのお浚い・前菜的な役目は充分に果たす内容と言え、作品としてのクオリティは高いと思いますが、今後に向けての羅針が示す向きをも暗示してる作品かと思われます。

Geso_de_Nyoro