劇場公開日 2018年1月27日 PROMOTION

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星めぐりの町 : 特集

2018年1月22日更新

喜びも悲しみも知る《人生の先輩》と、純粋な《少年》が紡ぐ珠玉の物語──
日本を代表する名優・小林稔侍が子役とともに築いた“かけがえのないきずな”
きっと確信できる、「生きていればきっといいことがある」と

心に傷を負った少年と実直な職人の交流を感動的に描いた、小林稔侍の初主演作
心に傷を負った少年と実直な職人の交流を感動的に描いた、小林稔侍の初主演作

名優・小林稔侍が俳優生活55年目、76歳にして映画初主演を飾った「星めぐりの町」が、1月27日より全国公開される。「蝉しぐれ」の黒土三男が監督&脚本を務めて描く、実直な豆腐職人と家族を亡くした少年の再生の物語。壇蜜高島礼子平田満六平直政神戸浩らが共演に名を連ねた、見る者に明日を生きる勇気を伝える美しきヒューマン・ドラマだ。


【思いを伝承】この脚本は小林稔侍しか演じられない──
今ひとつにつながる《小林の人生》と《名優の思い》と《本作の物語》

愛知県・豊田市を舞台に、豊かな自然やモノづくりに真しに向き合う人々の姿をとらえた
愛知県・豊田市を舞台に、豊かな自然やモノづくりに真しに向き合う人々の姿をとらえた

家族を失い、心に傷を負った少年と、ストイックに生きる豆腐職人との運命の出会い──人生の先輩と、人生の入り口にまだ立ったばかりの幼き魂の交流を通して、生きていくことの大切さを教えてくれる尊き物語がまたひとつ誕生した。名バイプレイヤーとして数々の傑作に名を連ねる名優・小林稔侍が、自身でもオファーに驚いたという念願の初主演作、「星めぐりの町」。それは、小林が公私に渡って厚い親交のあった国民的名優、故・高倉健の思いが、小林自身の俳優人生と重なった特別な1本かもしれない。

公私に渡って親交の深かった小林が、高倉健を想定して描かれた役を熱演
公私に渡って親交の深かった小林が、高倉健を想定して描かれた役を熱演

高校時代に一世を風靡(ふうび)していた大スター、高倉健に憧れて東映ニューフェイスに合格。小林は、下積み時代に俳優としての心構えを高倉から学び取っていた。一生忘れないほどの恩義を高倉に抱く彼は、俳優生活55年目にしてめぐってきた初主演作である今作で、高倉が貫いた生き方を強く実感することになる。「こつこと続けていればきっといいことがある」という人生哲学をまっとうしているからこそ与えられた「ご褒美のようなもの」。生涯俳優であり続けることの意義を感じ取ったのだ。

伝統的な日本家屋に暮らす豆腐職人の姿から伝わるのは、不器用だが誠実な男の生きざま
伝統的な日本家屋に暮らす豆腐職人の姿から伝わるのは、不器用だが誠実な男の生きざま

本作の監督・脚本を務めたのは、「蝉しぐれ」の黒土三男監督。主人公である豆腐職人・勇作の人物造形には、高倉健が念頭にあったという。人生の先輩に導かれていく少年の姿に、かつての自分を見たという小林は、「今度は自分が導く番」と語っている。高倉への思いと小林自身の人生が重なり、さらに物語にも投影された本作は、丁寧に日々を重ねていく人生の尊さを見る者に示してくれる。

日々を大切に、つつましく生きていく──人生をまっとうすることの尊さが伝わる
日々を大切に、つつましく生きていく──人生をまっとうすることの尊さが伝わる

「引退など考えず、生涯、ひとりの俳優であること」を、高倉健は願い、そして貫いたという。それは、人が自らに与えられた使命を、おごらず、怠けず、ただひたすら実直にまっとうすることを示している。「不器用」とは高倉を語る際によく用いられる言葉だが、決して器用ではなくとも、懸命に役割を果たそうとする彼の姿が、人々の胸を打ったのだ。


【メッセージ】家族を失った少年が心開いたのは、優しい手をした豆腐屋だった
《生き続けることの大切さ》《明日を生きる勇気》を教えてくれる

妻を早くに亡くし、ひとり娘(壇蜜)と暮らす勇作(小林)に新たな出会いが……
妻を早くに亡くし、ひとり娘(壇蜜)と暮らす勇作(小林)に新たな出会いが……

黒土監督が東日本大震災で被災し、姉を頼って豊田市(愛知県)に移住したことをきっかけに生まれたという本作のストーリー。「特別な誰か」ではない「ごく普通の人々」が、自然豊かな地に根を張り、人や自然、仕事と誠実に向き合って生きていくさまが丹念に描かれていく。今を生きる私たちに必要なものは何か。忘れてしまったことは何なのか──豆腐職人と少年の物語から、「明日を生きる勇気」と「生きることの大切さ」が浮かび上がっていく。

勇作のもとへやって来た政美(荒井陽太)。彼は震災で両親と妹を亡くしていた……
勇作のもとへやって来た政美(荒井陽太)。彼は震災で両親と妹を亡くしていた……

毎朝手間暇掛けて作った豆腐を、近所の主婦や料理店に届ける毎日を実直に続ける職人の島田勇作(小林)。早くに妻を亡くし、娘の志保(壇蜜)と2人暮らしの彼のもとに、妻の遠縁に当たるという少年・政美(荒井陽太)がやってくる。東日本大震災で家族全員を失い、心に傷を負った政美を、勇作はただ静かに見守り続ける。少年の心が徐々にほぐれていくなか、彼の辛い記憶を刺激する大きな揺れが町を襲い……。

心を閉ざした政美を優しく見守り続ける勇作の姿は、小林自身の生き方とも重なる
心を閉ざした政美を優しく見守り続ける勇作の姿は、小林自身の生き方とも重なる

「この映画に登場するのは、偉い人でもなんでもありません」と監督が語っている通り、本作が描くのは「ごく普通の人々」。会社員や農業・漁業に従事する者、商業を営む人々──そんな人たちが、こつこつと人生を積み重ねていく姿が描かれる。それは主演の小林稔侍の生きざまにつながるとともに、そんな毎日がきっと報われるという尊さを、観客である我々にも実感させてくれるのだ。

“自動車工場の町”というイメージを覆す、豊田市を彩る美しい風景も映し出される
“自動車工場の町”というイメージを覆す、豊田市を彩る美しい風景も映し出される

本作は、愛知県・豊田市で全編ロケ撮影されているが、桜の木々やせせらぎの音が美しい自然に寄り添った生活もつぶさにとらえている。主人公・勇作が豆腐作りに精を出す店舗兼住居は、囲炉裏や土間のある古き良きたたずまいを残す古民家。手間暇掛けた豆腐作りの手法、そして度々映し出される食事シーンから、不自由ながらも豊かな暮らし、自然とともに生きる喜びが伝わってくる。



【人生の先輩と子ども】「鉄道員」「単騎、千里を走る。」「グラン・トリノ」
今作が描く《きずな》もまた、見る者の心に深く響き渡る──

勇作と政美のきずなは、“人生の師”と“導かれる者”を描く傑作群を思い起こさせる
勇作と政美のきずなは、“人生の師”と“導かれる者”を描く傑作群を思い起こさせる

嬉しいことも悲しいことも、酸いも甘いも数々かみ分けてきた「人生の先輩」と、人生の初心者ながらも「純粋な心を持った子ども」。この両者の交流を描いた作品には、見る者の心を感動で震わせる作品が多いことは、映画をよく知るファンには周知の事実だろう。

少年の傷ついた心は再生するのか? ふたりが築いていくあたたかなきずなに注目したい
少年の傷ついた心は再生するのか? ふたりが築いていくあたたかなきずなに注目したい

例えば故・高倉健の、主演作「単騎、千里を走る。」での辺境に暮らす中国人少年との交流や、「鉄道員(ぽっぽや)」で少女と紡いだ美しい物語の雰囲気は、心に傷を負った少年と心を通わせていく本作の主人公の姿に大きくつながっている。

「グラン・トリノ」(左)ほか“老人と少年”モチーフの傑作が、観客の胸を打ってきた
「グラン・トリノ」(左)ほか“老人と少年”モチーフの傑作が、観客の胸を打ってきた

洋画では、クリント・イーストウッド監督の「グラン・トリノ」や、アカデミー賞外国語映画賞の「ニュー・シネマ・パラダイス」、そしてゴールデングローブ賞2部門ノミネートの「ヴィンセントが教えてくれたこと」が、生きていくための確かな知恵を、子どもが老人から教わっていくさまを描いた作品としては出色だろう。過度に近づきすぎることなく、かといって離れすぎることもないふたりが、ときを重ねて理解し合い、きずなを深めていく。そんな姿が染みたという映画好きなら、本作の、寡黙で不器用な職人が優しく見守り、少年はその思いに豆腐屋を手伝うことで徐々に応えていく描写にも心があたためられていくだろう。

スクリーンに浮かび上がる、最も新しい老人と少年の尊ききずな。注目してほしい、希望にあふれるヒューマン・ドラマだ。

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