わたしたちの家

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わたしたちの家

解説

2017年PFFアワードグランプリ受賞作品で、東京藝術大学大学院で黒沢清、諏訪敦彦に師事した清原惟監督の劇場デビュー作。父親が失踪して以来、母の桐子と2人暮らしをするセリはもうすぐ14歳になるが、母に新しい恋人ができたことで複雑な気持ちになっていた。一方、目が覚めるとフェリーに乗っていたさなは、自分に関する記憶をなくなっていた。自分がどこからこのフェリーに乗ったかも思い出せない。あてのないさなは船の中で出会った透子という女性の家に住まわせてもらうことになる。父親を失ったセリ、記憶を失ったさな、まったく別々の2つの物語が一軒の同じ家の中で進行していく。

2017年製作/80分/日本
配給:HEADZ
劇場公開日:2018年1月13日

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(C)東京藝術大学大学院映像研究科

映画レビュー

4.0観る者を穏やかに挑発する、スリリングな「ホーム」ムービー

2018年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

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牛津厚信

4.0現代アートシネマの最前線

2023年9月18日
PCから投稿

藝大大学院の修了作品としては同窓の先輩・濱口竜介の『PASSION』が有名だけど、それに匹敵するすばらしい長篇デビュー作。ニューヨークの小さな映画祭で見たとき、いまの映画の世界を知りつくした見巧者たちが、そろって感嘆を口にしていたのを、よく覚えている。

すぐれているところは数多い。画面の構成力、照明の操作、編集のリズム、全体のトーンの見事な統一。白とも黒ともつかない「あわいの世界」の空気感を映像でとらえるのは物凄く難しいが、この映画はそれにほとんどの場面で成功している。ともかくそこをきちんと評価するのがスタートライン。

文句なく今の世界の映画にまっすぐつながっている感受性と技術。一度も国外で映画の勉強などしたことがないのにここまで到達できるのは立派な才能。

惜しむらくは、踏み込みが弱い。曖昧で意味ありげな気配が、要するに何なのかを映画の中で描かれないとしても作り手は完全に把握していなければ。それをやっていない映画は日本国内では大きな顔で上映されて称賛もされるかもしれないが、国外では通用しない。

だけども、そうした弱点を上回る魅力があるのも確かなんだよね。

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milou

0.5あおくてくさい

2020年7月11日
PCから投稿

少女達のダンスのあと、古風な家屋内を、まんま小津な腰位置のカメラがとらえる。
そのあと海岸で少女が少女らしき屈託を語る。

15分ほどで青臭さに嫌気した。
と同時に、筋が追えなくなる。
二家庭がパラレルに存在する話。ゆえに編集を交錯させている。
おもしろくない+わからない。

にもかからわず、映画は叙情を露わにしてくる。
岩井俊二風の多感な気配を見せる少女。
いきなり、丘を越え行こうよ口笛吹きつつと歌い出し、きゃははとたわむれる、ふたりの女性。
こっちが何にも理解していないのに、リリックな情景をやらかす──その圧倒的な恥ずかしさ。

パラレルはあるていど補完される。それにしても、その途上、楽しくはなかった。
多重世界に独自性が有るか無いか、小津安二郎へのオマージュ、それらは、ひとまず置いて、監督は根本的なドラマ演出のメソッドを学習すべきではないだろうか。

しかし、この映画はなんかのアワードを獲っている。
世のなか、芸能にプライズは数あれど、未熟でも与えられるのは映画製作者だけだ。その理由は、文や絵などの個作品に比べ圧倒的に応募が寡ないこと、加えて、賞が産業振興を目的としていることにある。アワードの知名度が低ければ低いほど、振興が主眼になってくる。すなわちクリエイターの背中を押してやることを目的としている。

ただし、こういうセンスの人が映画をこころざし、授賞に気をよくし、果然、映画製作に打ち込むなら、日本映画の未来は暗い。
この国の映画の新人は、振興コンペティションに勝った「鬼才」であることが多い、と個人的にはみている。やりたくて熱いひと、かれが厨二であろうと、門戸を開けている。

映画監督という職業は、この人のように芸術──ぬるいコンペティションから出発する人と、現場で叩き上げる人の二種類に大別される。
もし芸術から出るなら、社会/人間のことをじゅうぶんに知らなきゃいけない。
基礎技術を経たなら、人生経験がものを言う──そうでない芸能は、この世に存在しない。大衆に伝わらない映画を撮るんだったら、インスタレーションでもやってりゃいい。

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津次郎

0.5タイトルなし

2018年8月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

自主とか卒制って、どうしてああいう人間ばかり出てくるんだろう。何で同じ家なのかもわからん。

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kazuyuki chatani