デトロイトのレビュー・感想・評価
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目を逸らしてはいけないリアル。まさに鬼気迫る群像劇。
【賛否両論チェック】
賛:事件をリアルに追っていく様子が、まるで追体験しているようで、“差別”というものの現実をハッキリと突きつけられるよう。
否:事件の顛末を淡々と追う形で進んでいくので、関心が持てないと退屈してしまいそう。リアルであるが故に、観ていて痛々しいシーンも多い。
大規模な暴動の最中で、実際に起きた事件を淡々と描いていく作品なので、その分事件を追体験しているような恐怖感があります。建前上は平等が認められていても、人間の価値観からはなかなか無くならない“差別”という存在の根強さが、浮き彫りになる気がします。
窓から外を見ようとした少女が、狙撃手と間違われて銃撃されてしまうシーンや、自白をさせるために、別室で仲間を銃殺したように見せかけるシーン等、リアルさゆえに胸が痛むような場面が次々と描かれていくのも、観ていて辛いものがありますね。
ハッキリと好き嫌いが分かれそうな作品だと思いますが、目を背けてはいけない現実を、是非この機会にご覧になってみて下さい。
しんどい映画でした
思っていたよりずっとしんどい映画でした
尋問という拷問シーンはあの場にいるかのような緊張感でした
拷問される側、する側、俳優さん達の演技がすごい迫力でした
想像できても、きっと日本人には理解できない差別なんでしょうね
警察官だけではなく裁判も公平でなく、白人の男の人以外はあんなに生きにくい社会だったんですね
この出来事から50年ほど経ってあんなひどい差別はなくなっていますが、「今はこんな差別がない社会になって良かったね」とは簡単に言えない思いになります
アメリカの暗部を見た。
事実に基づく作品。1967年のデトロイト暴動を描いた作品。
2018年の第90回アカデミー賞において、事前の宣伝では“本年度アカデミー賞最有力”とかされていましたが、いざ蓋を開けてみると、全然ノミネートされないと言う衝撃!一部には、あまりにもドキュメンタリーチックであったため、物語性に欠けるので避けられたと言う話も聞きます。
見た感じは、物語性に欠けるとまでは思いませんでしたが、ちょっと、視点がぶれたかなと。最初は、全体を俯瞰する第三者的な視点だと思ったのですが、いつの間にかディスミュークスになり、それが、いつの間にかラリーが中心になったような感じたりと、感情移入が少し難しかったかなと。ドキュメンタリーとして描くのであれば、それに徹して、もっと俯瞰的に、第三者的に描けば、もっと違った感じになったのではないかと思います。
それにしても、50年ほど前の出来事ですよね。何かがすぐに暴動になるのは怖いですが、それ以上に怖いのが警察の暴走。いま上映している『スリー・ビルボード』も、ある意味、警察の怠慢、あるいは暴走、あるいは、アメリカの警察の限界を描いていますが、50年前も、いまもそんなに変わらないんだなぁと思わざるを得ません。それが、超大国アメリカの現実なんですね。そういう意味では、すべての警察が一定以上の水準にある日本は、平和で、幸せなのかもしれません。
それと、裁判ですよね。まぁ、そうなるか。制度的に、ある一方向に内容が傾いてしまうので、仕方ないのかもしれませんが、南部ではなく、中西部の話の筈なんですがね。50年前は、南部も中西部もあまり変わらないんですね。リベラルなのは、カリフォルニアとニューヨークくらいなのかな。
デトロイトですが、ラスト・ベルトと呼ばれる、現トランプ大統領当選の原動力にもなった地域の一つ。街は、財政的に破綻してしまい、産業も無いようなところとも聞きますが、いまだにあんな感じなんですかね?いや、街が破綻しているので、50年前よりも酷いかもね。どうなんでしょう?
人間の本性に迫る鬼気迫る作品
1967年の米デトロイト暴動での警察による人種差別的な尋問取調を題材にしたドラマ。見事な構成と演出で、痺れる様な緊張感に時間を経つのを忘れるほどでした。作品で描かれた事件を一握りの"狂った"警官のせいにすることも出来ますが、その後の陪審員裁判の結果も見れば、あの時代のアメリカ社会もまたそのような彼らを許す雰囲気だったことが何となく分かります。事件から50年、私たちの社会は少しでも進歩したのでしょうか?そんな凄く重い問い掛けをこの作品は発しているように感じました。
あんの、糞警官がぁっっ・・・!
って思わせるほど、
素晴らしい演技をされたあの警官。
居たたまれなくなるほどの緊張感。
恐怖。
怒り。
憎しみ。
悲しみ。
苦しみ。
負の感情が次から次へと湧いてきます。
それを引きずり出す映画は、
手放しで賞賛に値すると思います。
Jimmy Mack
小学生の頃、『スネークマンショー』に収録されていた曲が実はモータウンのガールグループ、マーサとヴァンデラス(Martha Reeves & the Vandellas)が67年に出した曲ということを今作品で初めて知って何だか懐かしい想いに馳せてしまったものである。とはいえ、そんな郷愁も吹っ飛ぶような実話を元にしたサスペンス作品である。上記のように、1967年という自分が産まれる前に起こった暴動での出来事を描いた今作は、今の時代に警報を鳴らす意味合いも多分に含まれているメッセージ性の強いスパイスに散りばめられている。前半の暴動をドキュメンタリータッチで紹介しつつ、その説明を踏まえての今作のメインストーリーである『アルジェモーテル事件』での警官による理不尽な黒人拷問殺戮シーンに展開し、ラストへの法廷劇へと場面を変えていく3シークエンスとなっている構造である。演出として、警備員、又はドラマティックスメンバーのカットが同時並行的に描かれるところが観てて散漫になってしまうきらいがあって、どちらかをバッサリ切って、逆に敵役である警官のレイシズム振りをもっと膨らませる過去エピソードがあればと良かったのではと思うのだが、やはり実際の出来事故、いくら無罪であっても相手方への取材は難しいのだろう、若しくは『否定と肯定』でもそうだったが、明らかに理不尽で不条理な判決結果である被告の言い分を聴くこと自体、相手が利する手助けになるとの判断なのだろうか・・・この不条理、理不尽は人類が生存している間はずっと付きまとうものなのだろうか。。。陰々滅々とさせられる結末である。
殺されるかも知れない恐怖を追体験するような緊迫した演出及び編集は流石、過去作に引き続き、十八番の監督なのだろう。
それにしても、ジュリー役のハンナ・マリーのベッキー激似がなかなか脳裏に焼き付いて離れないオチでもある。
本質的に
日本に差別がないとは言わないけど、ここまで自身を正当化できる差別は、過去にもなかったのではないだろうか?
その意味では日本人には本質的に理解できないのかも知れない…。
この事件はアメリカでは一般的なんだろうか?
最後に実存の人々の写真が出て来て、登場人物が実存していることがわかる仕組みになっているか、白人警官も家庭に戻ると良き父、良き夫だったりする訳で、事件の異常性は、そういう人であっても、追い詰められた状況になれば、人格が豹変するところにドラマがあると思うのだが、そういうことを狙った作品ではないのかもね…。
また、日本にもようやく裁判員制度ができたけど、アメリカは陪審員制度で、さらにそこに差別があったということも問題にしたかったのだろうけど、日本人にはテーマが多すぎるかなぁ…。
微妙でした。
自分にも起こりうる恐怖
2回目は
ところどころ寝てしまった…不覚。
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2018.2.1 TOHOシネマズシャンテにて1回目
これは正当な職務なのか
はたまた職権を濫用したおふざけか。
にやにや笑いながら
その行為に「ゲーム」と名づけた
尋問シーンのそら恐ろしさ。
人種や民族といった
大きな括りではなくても
出自や見た目、物言いのような
実にプライベートな理由で
個人間や集団の中には
ヘイト意識は哀しいかな存在する。
集団の中で生活する以上
実は「アルジェモーテル事件」は
自分のすぐ隣にも迫っているのでは…
他所の国の話でも時代劇でもない
我が身に迫る恐怖を
見せつけられている気がした。
社会的大作かと、思いきや、、
散漫なストーリー展開に
主題をどこにおくべきか悩む。
実話をベースとしているが
矮小な警官の悪辣行為シーンが
長くウンザリ。
で、映画そのものも長い。
タイトルもデトロイトという
モーテルの出来事に変更すべき。
社会に何を問い、何を訴えるのか
CMを含め伝え方を考えて欲しい。
光と影
昨年、今年と人種差別を扱った傑作が公開された。『ドリーム』、『デトロイト』。
前者は見終わってスッキリした。後者はキリキリと心臓を掴まれたような感じ。ただどちらも実話であることが興味深い。
特にラスト、登場人物の現在が語られる箇所、ある一点に強烈な一撃を食らう。
また、音楽らしい音楽は使われないが、暗い展開を象徴する、音の使い方が印象的。
今だからこそ、見ておくべき一作であることは間違いない。
緊迫の尋問シーン
他の方のレビューにもある通り、尋問シーンの破壊力が凄まじい。鑑賞時には全く気にならないのだが、後から考えるとカメラワークが影響していたと思う。我々観客をその狂気的な場所へ連れて行くための恐ろしいカメラワーク。そのおかげで、当時の緊張感あふれる、常軌を逸したデトロイトにタイムスリップするのだ。
その凄惨な尋問が行われた後も丁寧に描かれているのも素晴らしい。当時の時代背景を踏まえて映画を見ることができるので、心がただただ辛い。
そして、はやくも2018年ベストゲロを見たかもしれない。あれほど観客に寄り添った、同意しかないゲロはなかなかない。
今、この問題を取り上げ、ここまで丁寧に、まるで挑戦のように映画を作り上げたスタッフ陣には開いた口が塞がらない。だが、前半は退屈と言わざるを得ず、作品賞にノミネートされなかったのも分からなくはない。
くどいようだが、尋問シーンは見る価値しかない。特に映画館でその緊迫感を体験してほしい。
面白かった、とは軽々しく言えない映画です。 最後にはスッキリ、カタ...
面白かった、とは軽々しく言えない映画です。
最後にはスッキリ、カタルシスを感じられるのかと思ったら、そうはならず。実話だからしょうがないか。
暴動シーンが続きすぎて、ホテルでの銃声前の辺りで寝てしまった事が残...
暴動シーンが続きすぎて、ホテルでの銃声前の辺りで寝てしまった事が残念でならない...
気づけば一人殺され尋問始まってた
バタバタで見に行くと、少しの間延びですぐ寝落ち、よくないなぁ
それでも十分見ごたえある映画でした
負の連鎖...
緊迫感半端無い‼︎
キャスリンビグローの
作品の中で
1番良かったかも‼︎
でも
やっぱ
ハートブルーかな
リトルランボーズから
顔が変わってない(笑)
ウィルポールター‼︎
今回の役は
どハマりだと思います。
あの顔...腹が立つ〜
全く関係ないですが
「IT」のピエロ役
予告見たとき
この子かと思ってました。
違ってましたけど...
緊迫感が凄い
1967年に起きたデトロイトの暴動を題材にした実録サスペンス。
最後まで緊迫感があり重くつらい作品でした。
50年前に起きた事なのに、今でもまだこうゆうことってあるよね。それが悲しいしなくならないことなのかな?
若手俳優達の演技も素晴らしくて、アカデミー候補から外れたのは本当に残念です。
『正義』という思い込みで人はどこまで邪悪になれるのか
恐ろしい映画だった。
感動ではなく、恐ろしさと怒りで涙が出るほどに。
1967年夏のデトロイトで発生した、
米国史上最大級の暴動。そのさなかに起こった
『アルジェ・モーテル事件』の顛末を描いた本作。
その事件現場へ背中を蹴られてぶち込まれたような
迫真性。そして全編に充満する怒りと悲しみ。
個人的にはキャスリン・ビグロー監督が作品賞を
授賞した『ハート・ロッカー』を凌ぐ出来ではと思う。
開幕から映画を支配する息詰まるような緊張感は、
映画が進むに連れて薄れるどころかぎりぎりと
音を立てる弦のように張り詰め続け、
開始2時間にしてようやくピークを迎える。
“衝撃の40分”と宣伝された集団尋問シーンの
緊張と恐怖たるや、観ているこちらが壁に
頭を押し付けて目を背けていたくなるほど。
映画は145分という長尺だが、
体感時間はその半分、体感疲労はその倍だ。
...
警備員ディスミュークスを演じたジョン・ボイエガ。
理性的だが熱く、苦難に晒され続けた者のダメージも
表現できる彼が凄い。間違いなくデンゼル・ワシントン級の
カリスマ性を持つスターだ。『スターウォーズ』で抜擢
された彼が、ここまでの存在感を放つ役者になるとは!
幼稚にさえ見える残忍な警官役ウィル・ポールターも、
観客を本気で憎悪させるこんなリスキーな役を
演じ切った根性に天晴れ。彼がどす黒い闇を体現
したからこそ、この映画は断固たる光を放った。
そして“ザ・ドラマティックス”のボーカル・
ラリーを演じたアルジー・スミス。この方の名前は
全く知らなかったが、役者兼歌手の方だそうな。
無人の劇場で歌うシーンでも心を動かされたが、
彼の最後の登場シーンでの、怒りと悲しみがひしひしと
伝わる美しく切実な歌声には、思わず涙が溢れ出た。
...
アルジェ・モーテル事件で大きな役割を負ったのが
暴動鎮圧にあたるデトロイト市警の、一部の白人巡査達。
罵り、殴り、銃で脅し、大声で祈れと強要し、
尋問をゲームのように楽しみながら、時には
笑みすら浮かべる彼ら。彼らがその後に
行ったことはそれ以上に胸糞が悪い。
あんな行為のどこに正義があるのか?
正義を振りかざして人を虫けらのように
踏み潰すあの連中は、一体何様のつもりなのか?
“暴動鎮圧”“市民のため”という大義名分、そして
それを行使できる力。彼らは『正義』を行使
できる力を楽しんでいるようにすら見えた。
あの警官たちの卑劣さは吐き気を催すほどだが、
最も恐ろしいのはあの警官たちに「これは正義だ」と
信じ込ませているもの。それは特定の個人や組織
ではなく、何千年もの時間をかけて心の深い深い所
にまでびっしりと根付いてしまった差別意識だ。
そして、権力と優越感ほどに最悪の組合せは無い。
デトロイト市警の中にも良識のある人物はいたが、
少なくともあの3人の警官達にとって
『白人は優秀、黒人は下劣』という思考は、
文化レベルで叩き込まれた“当たり前”だった。
これは別に黒人差別に限った話ではない。
未だに黒人差別は根強いが、現米国大統領が反面教師的に
示しているよう、差別意識というものは
日常のありとあらゆるものに存在していて、
こちらも自分の中にそんな醜い正義が無いか
自問する必要があると感じさせられた。
...
ひとつだけ不満点を書くなら、
黒人差別の歴史と暴動の理由を端的にまとめた冒頭の
アニメーションはやや語調が強すぎるように思えた点。
だが、あの位の語気で語らねば黒人達が暴徒化する描写は
かえって彼らへの反感を煽る結果となったかもしれないので、
ここは痛し痒しか。
この映画は奇をてらった演出や説教じみた語りに頼ることなく
人種差別という社会的テーマを強く打ち出すことに成功している。
ひりつくようにリアルな描写と優れた演技、そして
サスペンス映画としてのずば抜けた完成度で以て
エモーショナルに観客へそれを訴え掛ける。
『正義』という思い込みによって、
人はどこまで邪悪になれるのか?
そんな恐怖をまざまざと見せつける、負の傑作。
<2018.01.27鑑賞>
思ったよりサラッとした仕上り
白人の女性監督、意味あり価値のあるフィルムです。
エンタメの中に、重厚なメッセージがあるビグロー作品が好きです。ちょっとドキュメンタリー方向!
ブルー・スチールやニア・ダーク最高‼️
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