ゴッホ 最期の手紙

劇場公開日:

ゴッホ 最期の手紙

解説

「ひまわり」「夜のカフェテラス」などで知られる印象派の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホの死の謎を、全編油絵風のアニメーションで描き、解き明かしていく異色のサスペンスドラマ。郵便配達人ジョゼフ・ルーランの息子アルマンは、父の友人で自殺した画家のゴッホが弟テオに宛てた手紙を託される。テオに手紙を渡すためパリへと向かったアルマンは、その過程でなぜゴッホは自殺したのか、その疑問が募っていくが……。俳優が演じた実写映像をもとに約6万5000枚におよぶ油絵が描かれ、アニメーション化するという手法で作られた。出演した俳優はダグラス・ブース、ヘレン・マックロリー、シアーシャ・ローナン、エイダン・ターナーら。

2017年製作/96分/G/イギリス・ポーランド合作
原題:Loving Vincent
配給:パルコ
劇場公開日:2017年11月3日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第90回 アカデミー賞(2018年)

ノミネート

長編アニメーション賞  

第75回 ゴールデングローブ賞(2018年)

ノミネート

最優秀長編アニメーション映画賞  
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(C)Loving Vincent Sp. z o.o/ Loving Vincent ltd.

映画レビュー

5.0フィンセントの見た世界

2021年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

原題の「Loving Vincent」は、手紙の最後に書かれる「愛を込めてフィンセント」という意味です。
邦題の「ゴッホ~最期の手紙~」は、主人公を行動させる元となる手紙のことです。
サブタイトルの「愛か、狂気か」は、愛があれば、狂気はないし、愛がなければ、狂気しかないというように感じました。

ゴッホやゴッホの絵画に興味がある人には、お勧めできる映画です。
絵画に興味のない人にも、この映画を鑑賞することで、絵画やゴッホに興味を持つきっかけになれる映画なので、お勧めできる映画です。

フィンセントが描いた油絵を元にして、油絵によるアニメーションで、フィンセントが見た世界を見せるという演出は気に入りました。
ストーリーは、今でも判明していないフィンセントの死について、実在の人物に語らせて、真相を追求するというミステリーです。

自分のこの映画を観て、フィンセントの死について、考えてみました。
フィンセントは、南フランスのアルルを気に入っていましたが、アルルの人々と上手く過ごすことができずに、追放の嘆願書によって追放されました。
フィンセントは、南フランスのアルルを追い出され、パリにも馴染めず、テオの勧めでポール・ガシェのいる北フランスのオーヴェル=シュル=オワーズに滞在し、滞在するために、多くの絵画を制作しました。
フィンセントは、南フランスのアルルにはない、北フランスのオーヴェル=シュル=オワーズの何かに惹かれたということです。

フィンセントは、過去の失恋により、女性に対する抵抗感がありました。
マルグリット・ガシェは、父親であるポール・ガシェの過保護のため、オーヴェル=シュル=オワーズの男性と交際することができません。
フィンセントは、ポール・ガシェの治療を受けるために、マルグリット・ガシェと出会いました。
ポール・ガシェは、フィンセントとは芸術を通して、フィンセントを尊敬しています。
マルグリット・ガシェは、父親であるポール・ガシェが尊敬しているフィンセントに親しみから愛情を持つようになるのは当然でしょう。
フィンセントは、初めてマルグリット・ガシェという女性と普通の交際ができて、愛情を持つようになり、幸せの絶頂になるのは当然でしょう。
タンギー爺さんの言っていたフィンセントがやっとつかんだ星とは、マルグリット・ガシェだということです。
本当は芸術家になりたかったが、父に逆らえず、医学の道へ進んだんだポール・ガシェは、フィンセントとマルグリット・ガシェの交際には反対したでしょう。
ポール・ガシェは、鬱病の専門家としての知識を利用して、「テオは第三期の梅毒にかかっている」と嘘を言って、フィンセントを精神的に追い込み、マルグリット・ガシェと別れさせたということです。
妻のヨーも長男も梅毒ではないので、テオも梅毒ではありません。
しかし、テオが体調を崩していたのは事実です。
フィンセントの自殺の痕跡が全て消され、警察が探しても分からないほどの隠ぺい工作が行われました。
この隠ぺい工作ができるのもまた、警察と医者として付き合いがあるポール・ガシェだけです。
他殺か自殺かという疑問は残りますが、ポール・ガシェがフィンセントの死に関与していたことは事実だと感じました。

フィンセントは、南フランスのアルルでは見つけられず、北フランスのオーヴェル=シュル=オワーズで見つけたのは、マルグリット・ガシェの愛情です。
フィンセントが庇いかったのは、マルグリット・ガシェです。
マルグリット・ガシェが知られたくなかったのは、フィンセントへの愛情です。

フィンセントが1日でも多く長生きしていれば、もっと多くの絵画を残すことができたと思うと、残念でしかありません。

自分も生きている今日を大切に生きなければならないと感じました。

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ノリック007

4.0この映画はゴッホへの愛か、狂気か。正気とは思えない技法で制作された、アニメーションのマスターピース。

2021年3月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

知的

難しい

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たなかなかなか

4.0二本立て二本目。油絵アニメが斬新。ゴッホの最期、その真相は? ミス...

2020年7月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

二本立て二本目。油絵アニメが斬新。ゴッホの最期、その真相は?

ミステリー要素が強く、友人と鑑賞後に議論なんて楽しいと思います。私の印象は自殺6割、自殺幇助2割、バカ者ふたり説2割って感じかな。

今日の二本を見て、偉いのはゴッホの弟だと思う。人格者です、もっと褒めてあげて欲しい(笑)
吹替版鑑賞

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はむひろみ

4.0斬新な油絵アニメ映画

2019年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 125名の画家がゴッホタッチで描いた62450枚にも及ぶ油絵を基に作られたアニメーション。ゴッホが弟テオに書いた手紙で「我々は自分たちの絵にしか語らせることはできないのだ」という言葉があったため、彼の絵に語らせるべきではないか?といった経緯で、前人未踏の大胆な手法でその人生を描いた映画なのです。

 ストーリーは、アルマンという青年が郵便配達人である父親からゴッホが弟テオに宛てた手紙を託され、自殺したとされるゴッホの死の真相を探るというもの。この際、ストーリーはどうでもよくなるくらい画面に釘付けとなってしまう。何しろ油絵が動き出すんですよ!回想部分はモノクロの水彩画になり、これもまた素敵なのです。

 ゴッホの人生については映画『炎の人ゴッホ』でしか知らなかったのですが、耳切りの部分はあっさり描き、自殺したとされる腹部の銃痕だとか、かなり検証されている感じのストーリー。有名な絵をもとに人物像も作り上げ、それぞれの証言が食い違ってるところもミステリーとして面白かった。

 生前には1枚の絵しか売れなかったというゴッホ。記憶に新しいのはバブル期に価格が高騰して、ゴッホというのは財テクのための画家だったのかと、誤った認識を持たされたことでしょうか。波乱に満ちた晩年や彼の内面については他の映画で描かれているので、この作品はこれで良しでしょう。

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kossy
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