劇場公開日 2017年7月28日

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「新鋭監督の今後に超絶期待できる名作」シークレット・オブ・ハロウィン 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5新鋭監督の今後に超絶期待できる名作

2017年11月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

萌える

マイナー作品にしておくにはあまりにも勿体無い、大人の心を揺さぶる名作。
宣伝からの先入観なしに、是非手に取って貰いたいと久しぶりに思った映画。

衣装やメイク、音楽で序盤はティム・バートンのダークファンタジーを観ているような気持ちに。でも物語が進んでいくと、不良グループに属するチンケな主人公が不思議な体験をする一夜限りのB級ファンタジー作品ではない事がすぐ分かる。なんというか、とにかく惹きこまれた。『ハリー・ポッター』の原作を初めて読んだ時の感覚に近い。

最初はジョナのしつこい煽りに鬱陶しさを覚えるのだけど、要所で子供時代の思い出が蘇ってくると親しかった友達と疎遠になった気まずさをじわじわ抱きながら、その罪悪感を隠し切れないコーリーに何だか感情移入してしまう。
幼い頃の遊びをもう一度二人で繰り返しながら、夢にまっすぐになれず不良グループに属して自分をくすぶらせるコーリーに苦言を呈するジョナ。コーリーが少しずつ「成長しなければならない自分」を受け入れていくのが嬉しくて可愛い。単なるチンピラだった当初のシーンと顔つきが全然違うように見えるのも凄い!
ファンタジー要素も強いけど、ヒューマンに分類したくなる良い脚本と人間関係。最後の最後に一気に切なさが押し寄せてしっとりと泣ける。ハロウィンの夜に毎年鑑賞してもいいんじゃないでしょうか!!この監督の作品はまだまだ観たい。

幸ぴこ