劇場公開日 2017年8月19日

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「エドガーライトはキャラクターの描き方がうまい。寡黙という難しい設定...」ベイビー・ドライバー mintoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0エドガーライトはキャラクターの描き方がうまい。寡黙という難しい設定...

2017年10月15日
iPhoneアプリから投稿

エドガーライトはキャラクターの描き方がうまい。寡黙という難しい設定ながらも見事に感情移入できるキャラクターを作り上げている。回想の描き方もスマートでグダグダしていない。
ツッコミどころは探せばたくさんあるが、映画としての軸がブレていないのでそんなに気にならない。(女の子が主人公を好きになるのがいささか急すぎる、ボスがあんな甘くてあの地位までいけるのか、など)
冒頭のアクションシーンはお見事。あれで監督のペースに引き込まれる。映画的な快感とはこういうことなんだよなぁ!
一つのイヤホンを2人で聞くというベタベタな展開が伏線になっているところは印象的だった。きっと意図していないんだろうけど日本映画に対する当てつけにも感じられた。(この前アイアムアヒーローをみてそのシーンにうんざりしたので)
どのキャラクターも破滅の色を孕んでいるから魅力的に感じられた。刹那的な人間の美しさは普遍的だ。だから最後は少し単調に感じた。あしたのジョー的な燃え尽きるラストを無意識で期待していたのかもしれない。好みの問題ではあると思うが。
ドライブというテーマを、瞬間的な快感と破滅というところから、好きな音楽を聴きながらゆったりと走るというところに落とし込んだということなのだろうか。それはそれでありだが置きに行った感は否めない。とはいえトータルとしては本当にいい映画だった。

minto