劇場公開日 2018年1月12日

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「痛々しい人達を肯定まではしないけど否定もできない人間臭さはあった映画でした」伊藤くん A to E スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0痛々しい人達を肯定まではしないけど否定もできない人間臭さはあった映画でした

2018年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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伊藤に振り回されるA~Eの女性を演じた女優陣の豪華さに惹かれて鑑賞した映画でしたが、これほどの美女達が、こんな伊藤みたいな男に振り回されるなんて!
伊藤がクズであればあるほど、美女達の痛々しさが如実に浮き彫りになって、見ていて何とも言えぬもどかしさを感じましたが、でもこんな人達・・・確かにいるなと思える絶妙な線で描かれていたので、余計に痛々しく思いながら、伊藤のクズっぷりをお腹一杯堪能させてもらいました。
まあ映画的にはもっと振り切れても良かった気はしましたけど、でも伊藤と言う男はあくまで現実にいそうなレベルに拘って描いたのかな?その分やや中途半端さは感じないでもなかったですが、しかし伊藤には本当にイラっとさせられたなぁ~。
また演じた岡田将生の演技や表情が、いい感じにムカつくんですよね、でもこんなだけど、イケメンだからモテると来たもんだ、だからこそ、本当にムカついた、そしてそんな男に女は振り回されるの構図は、まあなんだかんだで面白かったです。

ただこの映画、元は深夜ドラマで放送されたものを追加・改編し更には視点を変えて映画化した作品だったんですね、全く知らないで見たのでまあこれはこれとして楽しめましたけど、ところどころよく分からない部分があったのは、やはり編集した影響だったのかな、特に池田エライザが演じたCの女性・聡子に関する描写が、これだとちょっと分かり難かったかも、おかげで夏帆が演じたDの女性・実希との関係性に関しても、深い部分までは伝わってこず、そこは少々残念に思えてなりませんでした。
私の中ではこの中で一番馴染みが薄かった池田エライザが、思いのほか素晴らしい存在感を見せていただけに、何とも惜しい・・・しかし相変わらず夏帆の処女で重たい女みたいな役どころは嵌るね、彼女に振り回された男の残酷な末路はとても印象深かったです。

しかしまあ共感まではしませんが、伊藤の言い分にも若干それも一理ありと思わせるような、妙な説得力はありましたね、それと変に伊藤の成長物語にしなかったのは良かったかも。
傷つくのは嫌だけど、それでも戦う・・・なんて心の中では思っても、やっぱり傷つくのは嫌だし、こんな生き方もありと言えばあり、と肯定まではしませんが否定もできない自分もいたりしました。
一方、矢崎莉桜のような女性もきっといるだろうなと思えるような、実に痛々しい女性でしたが、でも負の部分を中心に一番人間臭く感じれたのも確か、そんな彼女や他の女性も含めた女性賛歌的作風にしたのは、後味も良くて映画としてこれはこれで良かったとは思うのですが、一方でどこか物足りなさを感じている自分がいたりしたのもまた事実だったり・・・。

綺麗にまとめていい映画風に仕上がった分、これだけの強烈キャラを扱ったのに印象には残り難い映画になってしまった気もするんですよね、勿論、これはこれで楽しめましたし目の保養になったのも間違いないところではあるのですが。
それとメリハリが無かった分、微妙に長さは感じた映画でしたかね、それでいてA~Dの女性の人物描写が足りてなかったので、もう一つノリきれなかった部分が・・・。
でも役者陣の嵌りっぷりは特筆物でしたね、個人的には志田未来&夏帆が絶妙過ぎて深く印象に残りました。

スペランカー