50年後のボクたちは : 映画評論・批評

50年後のボクたちは

劇場公開日 2017年9月16日
2017年9月5日更新 2017年9月16日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほかにてロードショー

スリルと冒険と初恋と友情と別れがぎっしり詰まった、ひと夏の逃避行

目的地の正確な場所は不明のまま、盗んだディーゼル車に同乗し、とりあえず日程も行程も決めず、行き当たりばったりの旅を続ける14歳のマイクとチック。クラスでもあぶれ者の2人が辿る、スリルと冒険と初恋と友情と別れがぎっしり詰まったひと夏のロードの、何と瑞々しくてほろ苦いことか!?

マイクはクラスメートから変人扱いされ、秘かに想いを寄せる美少女のタチアナにも無視されてへこみ気味。おまけに不動産業で成功した父親は女を作って家に帰らず、そのせいで母親は酒浸りだ。そんなマイクがある日、"大五郎カット"の転校生チックに誘われ、お祖父ちゃんの故郷、ワラキアを目指すことに。チックがマイクに急接近してきたのは、多分、互いの中に同じ淋しさと不満と、実は「ムーンライト」的に切ない理由があったからなのだが、それはさておき、2人の行く手には魅惑のハプニングが待ち受ける。

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青々としたトウモロコシ畑に車ごと突っ込むディーゼル車、空腹を満たすために訪れた農家で体験する一時の安らぎ、旅の途中で知り合った行きずりの少女、イザとの心ときめく時間、アウトバーンでトラック相手に繰り広げるいっぱしのカーチェイス、そして、「また会おう」と言って暗闇に消えていったチックのラストショット。。。

すべてをやりきって新学期を迎えたマイクが、見違えるほど大人になっていたのは言うまでもない。一瞬にして過ぎ去る10代のかけがえのない時間が、無意識のうちに少年を成長させる人生の不可思議さ、歪さを、夏休みの逃避行に集約し、描いたロードムービーの達人、ファティ・アキンの最新作である。

究極は、マイク、チック、イザの3人が思い出の高台で誓い合う"50年後の再会"。その時、眼前に広がる未知なる未来に胸をときめかす3人の後ろ姿を、いったいボクたち大人はいつの頃から忘れてしまったのか? 無知で無垢だった頃の自分が、少年たちのきらきらした瞳と共に蘇って来るような錯覚に陥らせる瞬間が、ここにはある。

清藤秀人

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3.6 3.6 (全22件)
  • ドイツの青春 ストーリーには荒げすりな部分はあるけれど、これはこれで邦画では見れない青春の描き方として観れる。 PV風な演出が青春モノの泥臭さを巧く打ち消して面白く鑑賞できた。 ダルビッシュ似のチックのキ... ...続きを読む

    ミッドナイト ミッドナイトさん  2018年1月15日 20:18  評価:3.0
    このレビューに共感した/0人
  • 今更… どこにでもある青春映画。新しさも、斬新さも、ブチ抜けた感性もない。なぜ今更、この内容で撮るのか、理解し難い。ロマンチックに傾き過ぎて、監督の思い入れがたっぷり入った、凡作。わざわざ夏に象徴される... ...続きを読む

    shanti shantiさん  2018年1月15日 17:09  評価:2.5
    このレビューに共感した/0人
  • とてもよかった ネタバレ! ...続きを読む

    古泉智浩 古泉智浩さん  2017年11月20日 13:49  評価:4.0
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