勝手にふるえてろ インタビュー: 松岡茉優、主演女優の座を経て見出した新たな道筋

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勝手にふるえてろ

劇場公開日 2017年12月23日
2017年12月22日更新
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松岡茉優、主演女優の座を経て見出した新たな道筋

女優として確かな演技力を持っているだけでなく、テレビ番組のMCやCM出演など、あらゆるメディアで引っ張りだこの状態が続いている松岡茉優の初主演映画「勝手にふるえてろ」が、12月23日に封切られる。11月3日に閉幕した第30回東京国際映画祭コンペティション部門では、観客賞を受賞するなど松岡の評価は高まるばかり。22歳でありながら、同年代の中で圧倒的な実績を残してきた松岡はいま、何を思うのか。胸に秘めた思いを、訥々と語り始めた。(取材・文/編集部、写真/根田拓也)

満を持して、と形容しても誰も異を唱えないだろう。映画出演20本以上、ドラマ出演も30本近くにのぼる。その間、「桐島、部活やめるってよ」で大きな飛躍のきっかけをつかみ、あらゆる作品で唯一無二の存在感を放ってきた。そんな松岡であっても、主演としてオファーを受けた時は冷静には受け止め切れなかったようだが、「放課後ロスト」「渚の恋人たち」に続き3度目のタッグとなった大九明子監督の存在が、いつもの冷静さを取り戻すきっかけとなった。

「大九監督とはこれまでに2回ご一緒していますし、短編にせよ初主演も大九監督でしたから、あまりプレッシャーを感じずに出来るんじゃないかと思いましたね。原作者も女性の方ですし、監督もプロデューサーも女性。女の女による女のための作品づくりが出来るんじゃないかと思いました。全くの更地からのスタートという感じがないなかで、今までやってきたことの集大成的な心持ちで出来るんじゃないかと感じていたんです」

松岡が今作で演じたのは、アンモナイトの化石について徹夜でネット検索したり、中学時代の初恋の相手について思いをめぐらせては胸をときめかせる一風変わった恋愛ド素人のOL・ヨシカ。正直で悪意に満ちた本音を吐き出しながら、どこか憎めない要素を持ち合わせているという難役に挑んでいる。そんな役どころであっただけに、「主演作ってことは意識したらダメだなと思いました。ヨシカって、主人公的な人ではないから。クラスの人気者の影ですらないのかもしれない。そんなヨシカを映画のヒロインとして意識したら終わるなって(笑)」と胸に秘めた。だからこそ、「もっと王道路線をいく作品だったら、違う捉え方をしていたかもしれません。初主演映画を撮るんだという気持ちはありましたけれど、主演俳優が私だという気持ちは全くなかった」という。

それでも、数多くの作品に出演し、現場ごとに異なる主演俳優を目にしてきただけに、否が応にも“座長”というものに意識を向けてきたはずだ。「確かにこの1、2年は座長というものをすごく考えたかもしれません。去年、『水族館ガール』で主演をさせて頂いている時に、並行して『真田丸』にも出させて頂きましたので、堺雅人さんの座長ぶりに感銘を受けました」

堺の現場に注ぐ惜しみない愛情に触れ、松岡の心の中の何かが動いた。「あんなにも現場に愛があって、作品にも愛があって、役を愛していて、この人の愛はいくつあるんだろう? って。振りまいても、振りまいても、愛が枯れない。もはやアンパンマンみたいですよ」。いまの自分にそんな振る舞いは出来ないと、肩透かしを食らってしまうくらい簡単に認めてしまえる素直さと謙虚さが、松岡を一回りも二回りも成長させるはずだ。

「役のことを考えれば考えるほど、現場でのレスポンスは遅くなる。現場を円滑にすればするほど、お芝居がままならなくなる。ただ、またいつか主演をやらせて頂く機会が来たとき、共演者の方々がお仕事をしやすい現場を作りたいなって今は思っているんです。“座長”をやらせて頂いたことで、ドラマや他のお仕事で生かせることがたくさんあります。経験してみないことには、分からないものは分からないんですね」

こういった大人びた発言は、今に始まったことではない。筆者は松岡が17歳の頃から取材をし続けてきたが、常に何かを考え、滅多なことでは歩みを緩めない姿は、たとえそれが自らの成人式当日であってもぶれることがなかった。年が明けて2月になれば23歳になるわけだが、この1年間どこに主眼を置いて過ごしてきたのだろうか。2017年、松岡の仕事はケラリーノ・サンドロヴィッチが演出を手がけた舞台「陥没」から動き出した。

「出来ない事が楽しいと言っていたのは、あくまでも自分の知っているフィールドの中で出来ないから楽しかっただけ。本当に知らないフィールドの中で出来ないと、絶望しかないんだと痛感させられました」

松岡にそう思わせてしまうほどに、井上芳雄小池栄子瀬戸康史緒川たまき、生瀬勝久ら芸達者な面々が、圧巻のステージを披露した。「映像と舞台って、全然違う。国家資格に俳優という括りがあるとしたら、映像と舞台は分けないといけないくらい違う。だからこそ、小池さんや生瀬さんから『やり続けた方がいい』『やり続けないとダメだ』とお聞きして。これからも、なるべくコンスタントにやっていきたいと思っています。次こそは、あまりにも情けないことにはしたくない」

映画に対しても、ますます熱い思いを抱いている。「今までの積み重ねのチャレンジは、『勝手にふるえてろ』でやり切りました。ドラマ『ウチの夫は仕事ができない』で、今までにない役をいただけたことをきっかけに、今までにないやり方で演じてみたら、すごく楽しかったんです。そうだ、お芝居が楽しかったから好きになったんだよな……って原点を思い出しました。先日も妹と映画を見に行ったら、すごい解釈をしていて、私が見ていないところを拾って問題提起してきた。まさに、勝手にふるえましたよ(笑)。映画って、ひとりで見て染み入るのもいいけど、やっぱり誰かと見て語り合うのってすごく重要だと思いました。誰かと話をして完成する映画ってありますから。『勝手にふるえてろ』も、見終わった後に誰かと話し合ってほしいんです」。

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