劇場公開日 2017年12月9日

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「こういう邦画が評価されてほしい」ビジランテ mintoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5こういう邦画が評価されてほしい

2017年12月13日
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少しフワフワしているところが気になった。細部まで作り込みをして、あえて語らないというよりはメインストーリー以外は設定が固まっていない印象をうけた。主人公らの過去を含んだバックグラウンドをもっと描いたら物語全体のリアリティがもっと上がったと思う。
あとは警察何してんの?感は否めなかった。一郎にレイプされたとき(薬やってるのだから警察に任せれば土地の件だって解決できたのでは?)
そう思わせない工夫(裏社会ならでは?)があるとよりよかった。
家族間の問題だからあえて警察を介入させなかったのかが納得できなかった。

役者は最高によかった。入江監督は役者を描くのが本当にうまいと思う。主役は置いておいても篠田麻里子でさえよく思えた。すごい。
桐谷健太を見る目が変わりました。

様々な問題を横に繋げて描くのはよく見る手法だがテーマとストーリーが見事にハマっていたと思う。
中国人のところは蛇足に思えなくもないが(あそこを削って主人公たちの過去を掘り下げてもよさそう)映画のテーマに間違いなく深みは与えている。
肩を小突くという行為は戦争なのだと思った。人が人を憎むという悲しい業、どちらがいい悪いではなく等身大で現代が抱えている問題を表現している。

み終わったあといい映画をみた、、という感覚があった。こういう映画をもっとみたい。

minto