劇場公開日 2017年9月29日

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「差別を突破する真なる数式」ドリーム ローチさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5差別を突破する真なる数式

2017年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

邦題問題で一悶着あった本作だが、下馬評通り作品自体は、大変しっかりした内容だった。

問題意識は主に2つ。1つは差別問題。バスの座席など、白人と有色人種が明確に区別される時代に、黒人女性が多くの難問に直面し、それでも自らの生き方を貫いていく姿。
黒人用トイレが離れにしかなく、そこに行くのも一苦労という状況から、マーキュリー計画に無くてはならない人材になる様が描かれていく。

面白いのは、NASAという天才集団において、差別はあっても、彼女が作った数式は差別されない点だ。正しい数式はウソをつかないのだ。

もう1つは、機械は人間の労働を奪うかという点。IBMのコンピュータが配備され、計算係は不要とされる噂が飛び交う中、オクタビア・スペンサー演じるドロシーは黒人女性たちを率いてプログラミング言語を習得していく。変化にいち早く対応し、新しいものを吸収していく人材はいつの時代も、どれだけ技術が発展しても必要とされるのだ。

杉本穂高