ノクターナル・アニマルズのレビュー・感想・評価
全139件中、41~60件目を表示
「シングルマン」とは全く違う
とりあえず、オープニングが衝撃です。
中身もおもしろく、本を読むというだけの行為をここまで恐ろしいものに昇華しているのはものすごいことだと思いました。
原作であれば「本を読む」という行為をしている主人公を我々読者が「読ん」でいるわけで、さらに入れ子構造になって考察も膨らむのかなとは思いました。ただ、トム・フォードの映画はそのおもしろさを取り去っても映像で魅せてくる。
悩んでたけど、映画館で観ればよかったと後悔するできでした。
こりゃもう観る人が観たいように観たら良い。 というか、真意は分から...
こりゃもう観る人が観たいように観たら良い。
というか、真意は分からないけど意味ありげなヒントはたくさん散りばめられているから、どうしたって自分の好みや価値観に沿った解釈になっちゃう。
そして小説も映画も、「作者の言いたいことは何か?」なんつー国語の試験ではないのだってことを、あらためて諭された気分。そーだよね。
正解は何かではなく、みんなはどう感じたんだろ?って興味のほうにいけるってのは、表現としてすごいな。
シングルマンは、デザイナーです感がバリバリだったけど、今作はだいぶ飛び越えたねえ。
最後はスッキリ?
ギレンホール演じる小説中の夫が現実世界のエ元妻アダムスで、小説の中で凌辱され殺害される妻と娘が現実世界の元夫ギレンホールという逆転の構図でないかな?と思いながら観てました。
まあ、そうだとすると、「俺はお前にこんなに屈辱の思いを味わわされたんだ。お前は自己保身に随分とご執心だったな!」という自己憐憫甚だしいメッセージになるので、そんな簡単な構図ではないだろうけれど、それ以上のことはあまり感じられなかった。
作品中の小説で生々しいバイオレンスを描いたものというと、アーヴィングの「ガープの世界」の中の「ベンセンヘイバーの世界」を思い出す。ちょっとネジの外れた保安官が出てくるところとか、なんだか設定が似てるな。
冒頭のぽっちゃりダンサーズを起用したアダムズ演じるキュレーターの上から目線の意図に強烈な不快感を感じさせるところから、全編元夫寄りの描き方が、終末のすっぽかしでカタルシスを迎える伏線になってるのだが、そんなに自己憐憫丸出しの映画で良いのか?という疑問がなくもない。
映像の各所に他の方がレビューしてるような意味もあるのだろうが、独りよがりな感じが自分には合わなかった。作家としての才能を、人間性で食い潰したような作品。
「簡単に投げ捨てるな」
トム・フォード作品は初めて観たけど、色彩をつかった表現がすごくキレイ。
本作は現実・小説内・回想と3つの世界が同時進行するつくりになっていて、
それぞれが影響しあいながら、重層的に結末へと向かっていく。
けっこう複雑なプロットなのに、3つの世界で色合いを変えてくれているため、
観ている側としては非常に分かりやすくて良かった。
後味の良いストーリーではないので、
好みによっては最悪に近い評価になるかも。
冒頭の「アート」なシーンもかなりエグいしね。
コスパだとか即時性だとか、もっと言えば物質主義だとか。
「豊かさ」とはなんだろうっていう示唆に富んだ作品だった。
これが流行り廃りの業界の人が撮った作品なのだから、
なおさら含蓄もあるってもんじゃないでしょうか。
二人の作り出す湿っぽさとダーク感に惹き付けられる
最初のシーンには意表を突かれ、その後は嫌悪を感じる話かと思いきや…凄く引き込まれました。
見せ方、音楽、世界観が暗くジメっとしているのにオシャレ。その雰囲気が堪らなくいい。
あまり前情報なしで観てほしい映画です。
金曜日の夜、日付またいで0時鑑賞…ピッタリな時間でした。
20年前の自分・架空の物語・今の自分が交錯して徐々に自分を追い込ん...
20年前の自分・架空の物語・今の自分が交錯して徐々に自分を追い込んでいく、20年前の後悔は今も繰り返されていく。
ジェイク(エドワード/トニー)は過去・架空の人物を背景にスーザンの心理描写が素晴らしい。
テキサスの荒野のように静かで殺伐として話しが進んでいく構成は眠気も感じず、引き込まれ続けた。
トム・フォードに脱帽
シングルマンまではまだデザイナーとしてのトム・フォードの範疇だったが、これは別物!
映画監督トム・フォードの真価が問われる2作目で素晴らしい傑作を撮りきったトム・フォードに最大の拍手を!
立派な映画
地味なのにずーっと面白い。
ルックは凝っているのに話がわかりやすい。
とてつもないセンスが感じられる映画でした。
説明がものすごく少ないので
映画的表現が豊かなんだと思う。
あとは、メインキャストの顔面演技がカンペキだった
評判よいので、エイミーアダムス目当てで見たけど15分で挫折し、あと...
評判よいので、エイミーアダムス目当てで見たけど15分で挫折し、あとは倍速モード。きもい退廃芸術的な現実と、暴力的でダークな劇中小説イメージが、交互に繰り返されて、暗いったらありゃしない。ホントに倍速かと思うくらいタルい進みだし。え、これで終わり?ってなオープンエンドもどうだかなぁ。美意識高いのかもしれませんが、これを素直に楽しめる人とは、趣味が合わなすぎなので、見てたらすぐに移動してください。たしかに夜行性動物感は出てるけど。。
アート作品だね、これは。
見終わった直後の率直な評価は3.3くらいかなー、と言ったところ。
でもこの作品も先日観た『インターステラー』同様に反芻すればするほど自分の中での評価がニョキニョキあがる作品。
衝撃的なオープニング映像は気まずい程長い時間流されていて、一体どんな話なんだろ〜と不安がよぎる。が、これがトム・フォード監督の美的センスか!とわかるとしっくり腹落ち。作品中も劇中作と過去と現在とをオーバーラップさせるアート作品のような構図が何度も登場し、ただただ美しい✨
ストーリーについては色んな想いが湧いてきたけど一言で言うと本人に自覚はないけど血は争えない高飛車女の話。でも美しい。レンタルも数日前に始まったみたいだし、また観ようかな (๑>◡<๑)
予告映像から現実と小説が交錯して繰り広げられる夫の復讐劇かと思って...
予告映像から現実と小説が交錯して繰り広げられる夫の復讐劇かと思って観たら展開が別次元で肩透かし。ストーリーは面白かったものの一番印象に残ったのはオープニングの演出だった。
罪の獣たち、復讐の獣たち
トップデザイナー、トム・フォードの映画監督第2作。
監督前作『シングルマン』はあまり自分の好みに合わず。
今回はサスペンス。話も面白そう。
実はレンタルして来て、初見は途中で寝てしまった。疲れもあって。
もう一度見てみたら、まあつまらなくはなかったけど…
まずはやはり、トム・フォードのアート・センスが目を引く。
洗練された衣装の数々、白を強調したヒロインのオフィスやギャラリー、それと対照的な美しいナイト・シーン。
とりわけ強烈インパクトを放つのが、OP。もう何て言ったらいいやら…。是非ご自身の目で。
エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホールら実力派のアンサンブルは極上。
中でも、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー・ジョンソンが巧演。
本作も美的センスと才気が充分発揮された一作と言える。
が、話の方は人それぞれ見方、感じ方、解釈が分かれるだろう。
ギャラリーのオーナーとして成功を収めるも、夫婦仲は冷え切り、裕福だが空虚な生活を送るスーザン。
そんな彼女の元へ、20年前に離婚した元夫が書いた小説が届けられる。
その内容は非常に暴力的だったが、どんどん没頭していく…。
スーザンの現在と過去、小説の中の話が交錯。
劇中のスーザンさながら小説の中の話に引き込まれる。
ハイウェイを移動中、暴漢に走行を邪魔された挙げ句妻子を殺された男の話。
乾いた荒地の映像も相まって、劇中劇なのに犯罪×バイオレンスとして見応えある。
地元保安官の協力も得て、復讐を誓う小説の主人公。
これがスーザンのパートにどう意図しているのか。
“復讐”や“暴力”がじわじわと現実世界のスーザンに侵食していく。
スーザンは金持ちでイケメンの現夫に乗り換え、元夫を棄てた過去がある。元夫の地位の無さに落胆し、才能の無さも批判した。ある種の一方的で残酷な暴力とも言える。
昔は元夫の小説を批判したのに、今はその才能に没頭。過去にスーザンが元夫へした罪の意識をさいなまれながら、再び彼への想いが…。
しかしこれがあの痛烈なラストと共に、彼女へしてやった復讐だとしたら…。
あのラストも間違いなく、レストランの外から見ていたのだろう。
彼女はまんまと元夫の復讐劇にハマったのだ。
…と、自分は解釈。
実際のところ、その解釈が当たってるかどうか分からない。
きっとまだまだ汲み取れなかった意味合いや話の深みが込められているのだろう。
凡人の私はスーザン同様、暴力的な小説にのめり込み、表面上のサスペンスだけ楽しみ、天才の仕掛けた世界観や物語に敗北を喫したのかもしれない。
トムフォード、何やってもうまくいくんですね、この人。
ファッションデザイナートム・フォードの監督作品。序盤からグイグイ引き込まれました。映画館で観たので圧迫感がすごかった。自分自身娘のいる身で、アメリカのまっすぐで何もないハイウェイを走ることも多いので、想像するだけで恐ろしかったです。この悲劇の話は劇中の小説の内容なのですが、それだけのインパクトをラストの現実のシーンにつなげるというのは、神業ではないかと思います。
おデブのダンス
冒頭シーンが
気色悪かった
小説の中の
車のシーン怖かった...
母娘さぞかし怖かっただろう
アーロン
カッコイイんだけど
今回の役は好きじゃないな
ラスト
ジェイクが
現れなかったのは
復讐が終わったって事なのかな
誰だったか思い出せなかった
エイミーのお母さん役
ローラリニーだった‼︎
あんなに老けてたっけ⁇
You didn't sleep at night, did you? 弱い男の強い意志
オープニングから席を立ちたくなるインパクトがありました。何気に観に行ったから、こりゃ大失敗したかなと。あれがアートかぁ。理解できん!
というわけでトム・フォード監督の2作目なのですが、さすがファッション・デザイナーだけあって絵作りは綺麗ですよね。場面転換の繋ぎが絶妙です。
ストーリーは一方的に離婚された男の復讐譚といった所でしょうか?経験者だから語りますが、一方的に離婚されると憎しみは消えないもんなんですよね、これが。棄てた方はとっとと次に進めるんでしょうけどね。でも最後でエドワードはしてやったりだったのではないでしょうか?タイミングもスーザンの家庭が崩壊している時期だったんで復讐するにはバッチリだったですしね。もし、あのタイミングまで20年間エドワードは小説を送る事を待っていたのでは?っと想像すると怖さが増します・・・。そして最後のレストラン。あれは絶対エドワードは陰から観てましたよね!?
エイミー・アダムス、ちょっと影があるキャラクターが似合いますねー。最近のジェイク・ギレンホールが出ている作品にハズレなしです。出演する作品選びが神がかってます。刑事役のマイケル・シャノン、鬼気迫る演技がスゴいです。アーロン・テイラー=ジョンソン、「キック・アス」の面影皆無ですね。
まぁ、何というかこの作品って離婚経験者とそうでない方とでは全く見方が変わるような気がします。公式がどう言ってるのかは知らないんですが、やっぱりこの作品のテーマは「復讐」なのではないでしょうか?とりあえずエドワード、グッジョブ(´∀`)b!
全139件中、41~60件目を表示