散歩する侵略者のレビュー・感想・評価
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俺たち『概念』を集めてるんですよ
映画「散歩する侵略者」(黒沢清監督)から。
言葉の定義や概念を言葉にするのが大好きな私には、
ちょっとヤバいくらいにはまってしまった。
もしかすると、ここ数年では一番メモが多い作品かも。
「俺たち『概念』を集めてるんですよ」でメモ、
「欲しいのは、その元にある概念の理解だからね、
理解そのものを頂くんだ」でメモ。
とにかく「○○って何?」の質問の嵐で、楽しかった。
「所有って何?」から始まり「ねぇ、刑事さん。自分って何?」
「あの、仕事って何ですか?」「罰って何ですか?」と、
矢継ぎ早に、定義、概念を見つけていくのだが、
イメージも千差万別で、言葉で説明もできないものがある。
それが「愛」ということだ。
牧師に「あなたなら、正確にイメージできるんですね」と訊ね、
「愛は、あなたの内側にあります」と答えられて戸惑うシーン。
愛に対する概念が多すぎて、誰も定義できない。
「愛」以外は、その概念を地球の侵略者に奪われてしまうが、
「愛」だけは、彼らにも奪うことができなかった。
それが、この映画のテーマかも知れないなぁ。
松田龍平が好きな私には、楽しめました。ハッピーでもバッドでもない考...
松田龍平が好きな私には、楽しめました。ハッピーでもバッドでもない考えさせられる終わりかたもよかったです。教会のシーンで何となく終わりかたが想像できましたが、それでも演技力ですね。満足です。
予測できないストーリーで面白い
ホラー風味と思わせて、コメディタッチだったり、突然アクションシーンになったり、退屈しない内容だった。
ちょっとシュールな場面などもアクセントになっていると思う。最後の方は印象的なセリフやシーンもあり、満足。展開が分かっていても、もう一度見たいと思える映画。
長澤まさみの演技が特に良い。
これぞ映画
この映画がわからない人は映画を語る資格はないとおもいます。
人とは何か、人間とは何を求めて生存しているのか。日常では考えない視点で物事を見てみる。そんな作品です。
エンドロールのときには何かを考えさせられ忘れられなくなるような映画になっています。
この映画を見てどう感じるのか自分自身が見どころです。
同じ原作者で映画化した「太陽」はつまらなかったけど、これは面白かっ...
同じ原作者で映画化した「太陽」はつまらなかったけど、これは面白かった。
CGはアレだったけど。そんな撃ってちょっと燃えるだけとか威力弱すぎでしょと思った。
あと概念を奪い取る時、舞台版だと質問責めにして答えに詰まった時に奪い取っていたけど、映画版だとちょっと質問しただけですぐに取っていたから、舞台版にはあった、言葉で説明できない深い部分が無かった気がする。
でも、終盤に侵略してくる所からラストまで、舞台版には無かったシーンも綺麗にまとまっていたし、心配していたほど酷い出来ではなかったように思う。むしろ私は好きだった。
愛についても、舞台版より分かり易かったように思う。
どうにも腑に落ちすぎる。
ついに、黒沢清が宇宙人に手を出した。
だが、正直ガッカリだ。
奴らは宇宙人。概念を奪う。
何の概念をいつ奪ったかがすぐに分かる。
彼らに実体はない。
家族は居ないが、仲間はいる。
目的は仲間と合流し、通信機を作り、地球を侵略すること。
これら全てが「台詞」で説明される。
いったいどうした黒沢清。
サスペンスを生み出すなら、行動の理由なんてどうでもいいじゃないか。
どこの誰だろうがどうでもいいじゃないか。
挙げ句の果てには、街中で大衆に向かって、劇中で明らかになっている事をわざわざ大声で説明する、小っ恥ずかしい演説シーンもある。
何をしてるんだ。
コメディをしたいのは分かる。
間抜けなシーンだから。
だったら、コメディを撮れ。
別に、黒沢清=難解な映画=傑作と思っている訳じゃない。
それはただの結果論であって、不可解だからこそ滲み出る不気味さが僕は好きなのだ。
得体の知れない存在の「得体」がここまで知れてしまった時点で、黒沢清の映画には魅力を感じない。
扇風機や風車を使った視覚的な「風」への拘りは感じられたものの、やはりそれが主題と絡んでこないのは何とも寂しい。
ビニールカーテンも微動だにしない。
成り替わるというテーマが黒沢清らしいといえば、そう言えない事もない。
生きていればその人と言える。ならば死んでしまった不確かな存在でも、確かにそこに居るならば、その人は存在していると言えるのか。
それを探求し続けているのが黒沢清だ。
概念と夫の記憶を全て手に入れた「何か」は夫と呼べるのか。
そもそも何をもって「その人」であり「夫」と呼べるのか。
その辺りの問いかけは、黒沢清と繋げる事も出来なくもない。
だが、今回はなんだかやっつけ仕事のように感じた。
次作に期待したい。
身近な人がどんどん侵略されていく恐怖…。
豪華キャスト&ストーリーの面白さに惹かれてDVDで鑑賞。
ストーリー
失踪した夫・真治(松田龍平さん)が、ある日優しくなって鳴海の元に帰ってきました。真治は、敬語で接したり意味深な事を言ったりと明らかに様子がおかしかったのです。別の所では同時期に一家惨殺事件が起き…。
「なるほど。それ、もらうよ。」
地球侵略の為にやって来た宇宙人は、そう言って概念を奪って行きます。概念を奪われた人類は、自由も家族も愛も仕事も失われ、狂っていきます。
真治の妻・鳴海(長澤まさみさん)や記者の桜井(長谷川博己さん)がこの作品の中で一番まともかと思っていましたが…。
謎の若者宇宙人が、めちゃくちゃ不気味でした。(←褒めてます。)
宇宙人に侵略されても、夫婦の絆はやはり固いなと感じた深い作品でした。
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