劇場公開日 2017年9月23日

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「突っ込みどころ以上に西田敏行な感動を得られた映画だったかな」ナミヤ雑貨店の奇蹟 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5突っ込みどころ以上に西田敏行な感動を得られた映画だったかな

2017年10月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

最初はどうなることやらと思いましたが、ところどころ泣かされた部分もあったりして、後味もスッキリ、まあ正直完成度が高いとは言い難かったですが、何とか最後は上手いこと話をまとめたなと、各ピースの嵌り具合に感心しつつ程々には満たされた気分になれた作品でした。
突っ込みどころは満載だったので、世間の評価が話題作の割にそれ程でもないのも妙に納得は納得でしたけどね。
特に前半、と言うか最初がホント入り込み難かったぁ~、山田涼介、村上虹郎、寛一郎が演じた三人の若者がナミヤ雑貨店でワチャワチャする冒頭で、もう見る気が失せた方も結構多かったのでは?

全てファンタジーだからと受け入れるまでにちょっと時間が掛かって、私も最初は遠い目で見てしまいました・・・でも、そこでハードルが下がったからなのか、徐々に見る者を惹き込む見せ方が上手かったのか、いつの間にかこの世界観に入り込んで、何だかんだで感動している自分がそこにいました。
林遣都が演じた魚屋ミュージシャンのエピソードで少しづつ面白くなってきて、鈴木梨央ちゃんのパートでとりあえずひと泣き、鈴木梨央ちゃんの演技には毎度惹きつけられるなぁ、でもあのミュージシャンの救出行動には若干突っ込みどころもあって、そこでオイ!となりましたけど、そうならないと話は進まないのでまあ仕方ないか(苦笑)

セリ、グリーンリバー親子、尾野真千子のエピソード等々、その後も時空を超えたエピソードが盛りだくさんで、頭も混乱しつつもうお腹一杯って感じになりましたが、それらの話の繋がり具合がまあ強引は強引なのですが、最後は何か妙にスッキリ、読んでないので知らないですが原作の方がまあ圧倒的に感動できるのでしょう、でも映画は映画で突っ込みどころはありつつもある程度は心地良い気分になれる感動作に仕上がっていたのではないかと・・・。
人は大なり小なり悩みを抱えて生きています、誰かに聞いてもらいたいけど、友達や知人にはいまいち相談し難い悩みってきっと皆抱えていると思うのです、今の時代こんなナミヤ雑貨店のような悩み相談方式はありえないですけど、でもあったらいいなと、そう素直に思わされてしまいましたよ、やっぱりナミヤを演じたのが西田敏行だからそう思えたのかな・・・私も思わずナミヤにナヤミを相談したくなりました、しかも手紙って、何かいいですよねぇ~。

若者三人に向けた、最高難度の相談に対する回答もグッとくる、いや、あれは見る者全ての人に向けたメッセージなのかな、山田涼介もようやく終盤で持ち前の演技力を発揮、でもそれまでの突っ張り具合に相当ゲンナリもしてましたけどね・・・。
まあ何やかんやありつつも、最後は山下達郎の歌で余韻にも浸れて、いい映画を見た気分にはなれました、門脇麦の歌声もいいけど、やっぱり山下達郎ですよねぇ。
そうそう山下と言えば久々に山下リオの演技を堪能(←結構好きなんです)、古風な成海璃子も最初は「?」でしたけど何か良かった!
後半は総じて良かったので、序盤が、いや若者三人のパートがホント惜しい、まあ基本嫌いではない映画でしたけどね。

スペランカー