劇場公開日 2017年4月8日

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「救いを求めるとか罪を償うでもなく」午後8時の訪問者 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5救いを求めるとか罪を償うでもなく

2017年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

ミステリーやサスペンス作品を観ているというより、多忙な医者の日常を追っているモキュメンタリを観ているような気分。

ジェニーがしたかった事は探偵の真似事をして死の真相を暴く事等ではなく、名前も身元も全く不明のまま市営墓地に埋葬された女の子のただ『名前を知る事』。
なのであれやこれや調べて真相に迫っていくという展開ではないのに、糸を手繰り寄せるように真実に近づいていく過程に緊張する。
患者の脈拍数から「何か知ってるわね?」と迫るのはカッコよかった。
相手の心を動かし、罪悪感を刺激し意図的でないにしろぽろぽろと情報を零させる手法が新鮮。
ジェニーの日常に寄り添い、静かに進んでいく物語だけど退屈さは感じなかった。

というか、医者ってこんなに忙しいのか とか、研修医こんな生意気なのかよ とか、フランスの男って女を威嚇しようとしすぎじゃね?ダサくね?とかふむふむ思いながら観ててそれが今思うと面白かった。
コーヒー飲む?サンドイッチ食べる?みたいな誘いを全部イエスで答えるジェニーが可愛くて。無愛想なのにw
フランス人ってああいうとき、イエス派なのかな。ハリウッド映画って大抵No,thankyouだよねw

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幸ぴこ