劇場公開日 2017年3月18日

  • 予告編を見る

「名作」わたしは、ダニエル・ブレイク osanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0名作

2018年3月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

人生で観るべき作品リストに追加したい名作。

人物の描き方がすばらしい。ベーステーマが社会問題だと人物描写は二の次になりがちだったりするが、社会問題を背景にしつつも、一人ひとりの人物の描写が丁寧。役付け、配役、役まわり、セリフ、演出などが、主役だけでなく、ほんの脇役に対してもとても丁寧で、お見事。

演出は自然で、まるでドキュメントをみているようだ。良い意味で。まるで役者が演技をしていないようにみえる。

私のような日本人がイギリスの社会問題にどうこう言う立場ではない。だからその社会論点については言及しようがない。
が、社会派映画によくある「押しつけがましさ」みたいなものが抑えられていて、「優しさ」があふれているので、画面やセリフにいやらしさがなく、私のような部外者もその優しさに触れることで、論点を静かに受け止めることができる。

2017年のキネマ旬報ベスト1にふさわしい名作。映画館で見逃した自分を恥じている。

osan