劇場公開日 2017年6月10日

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「共感できなかった派です。」昼顔 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0共感できなかった派です。

2017年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

世の中に、過去現在を含め、不倫をした人と、したことがない人がいる。
また、した人がいれば、された人もいる。
縁はなくても周りにいるという人もいるだろう。
どの立場にしろ、映画の中の「同じ立場」の人間に感情移入するのかと言えばそうではないようで、したことがなくても、紗和と北野先生にシンパシーを感じて涙を流す人がいれば、していても共感できない人もいる。

まず感じたのは、紗和の身勝手さだった。
TVドラマの出来事は知らない。でも、映画の中で一番に自分勝手だったのは紗和だ。好きな感情は人間の業のようなもの、どうしようもない。そこを責める気はない。でも、せめて自分の心に燃え盛る業火のせいでとばっちりを食っている人たちへの遠慮や謝意が欲しい。まるで自分だけが悲劇のヒロインにでもなったかのようだ。自業自得なのに。せめてバイト先で愛想よくしてほしい。乃里子の申し出を受けるか、せめて頭を下げて断ってほしい。
なにより、籍を抜くまで我慢してほしかった。あの結末は、そのせいでしょう?もしも、乃里子があのまま優しく身を引くと思っていたのなら相当な甘ちゃんだよ。
できることなら、北野先生がこっそりと何した何(それが何だとは書きませんが)を、あとで見つけて崩れ落ちるように慟哭してほしかった。

なお、だからと言って北野先生がかわいそうという気分もない。自分の身の振り方が下手なせいでこうなったのだから。たぶん彼は、それでもいい、と言うだろうが。

栗太郎