劇場公開日 2017年1月14日

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「過去行く方法雑じゃね?」本能寺ホテル フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

過去行く方法雑じゃね?

2017年3月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

エレベーターで本能寺行って信長に会う話

知人に勧められたので・・・

個人的には全く興味が無かったのだが、ハードル下げていたのでなんとか最後まで見れた。

設定はめちゃくちゃだし、わざわざ映画化する事なかった作品だと思うけれど、監督、スタッフ、役者の経験になっただけでも良かったのではないだろうか。

堤真一はさすがの演技力で信長を演じていたし、綾瀬はるかはカワイイ、浜田岳も笑えたし俳優陣のそれぞれはいい演技をしていたのだが、物語自体は平凡だ。
原作がどれほどの現実感で描いているのか知らないが、キャラクターの行動が不可解すぎる。
綾瀬が過去から戻ってきてからの行動は傍から見たら狂人だし、過去への行き方はわかっていても、帰り方がわからないのになぜ平気で行けるのだろうか。
天然と言うより狂ってるに近いと思った。まあコメディー映画だからあんまり突っ込むのは無粋だが主人公の行動原理は本当に理解できなかった。

この作品を進めた知人が言っていた
「歴史改変モノは大量にあるけど、作品それぞれが色んな解釈、描き方をしているから、その違いや面白い解釈を見て楽しむといいよ」

面白い解釈、確かにこんな信長、森蘭丸は見たことなかったかも知れない、詳しくないのでなんとも言えないが、個人的には新鮮だった。
こんな蘭丸がいてもいいじゃないと思える面白いキャラクターだった。

この作品で唯一自分がいいなと思ったのは、信長の最後だ。

ネタばれになるが、ラストで綾瀬はるかは信長を救うために本能寺に戻る。
結局、信長は綾瀬の説得を聞き入れず切腹して果てる。それもやむなしと。

予想としては信長を未来に逃がして新生活かとりあえず本能寺から脱出して自由な隠者暮らしになる終わり方だろうなと思っていた。
あまりにありきたりで退屈なしめくくりをどう落としてくるのかな?なんて高をくくっていてのだが、いい意味で覆された。

歴史変わらずエンド

信長の性格ならここで終わりならそれも仕方ないと割り切るだろうし、安直に改変ハッピーエンドじゃなかったので好感が持てる。
邪な考えをもつと、何のオリジナルな答えが思いつかなかったからとか、歴史ファンを納得させるためとか考えつくが。それでも、自分は納得できたのでいい締めくくりだと感じた。
この点だけは本作を見ていていいなと思った所だ。

全体的に面白くはないし、興味が無ければ見なくていい作品、映画界になんの存在意義も無いと思うがキャストで誰かファンがいるなら見てもいいのではないだろうか。

劇中セリフより

「出来ないんじゃない、誰もしようとしないだけだ」

フリント