劇場公開日 2016年10月22日

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「“優しさ”の無力さに憤る。社会の縮図を切り取る問題作。」闇金ウシジマくん ザ・ファイナル 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0“優しさ”の無力さに憤る。社会の縮図を切り取る問題作。

2016年12月5日
PCから投稿

悲しい

怖い

興奮

【賛否両論チェック】
賛:優しさ故に身を滅ぼしていく竹本の姿が、丑嶋と鰐戸三兄弟との戦いの中で、なんとも切なく映るのが印象的。社会の裏側で苦しむ人々のリアルを描き出す内容に、改めて考えさせられる。
否:狂気の登場人物達による理不尽な暴力は、観る人によってはヘドが出そう。足の切断等、グロシーンもかなりあるので、苦手な人には向かない。

 一応お話としては、前作までを観ていなくても楽しめそうですが、過去のネタも登場するので、やはり観ておいた方がイイかと思います。
 今回は最強の闇金・丑嶋馨の中学時代にもスポットが当てられ、過去と現在を行き来しながら、最凶の3兄弟・鰐戸達との壮絶な命のやり取りを描いていきます。その中で、優しさだけが取り柄の竹本が、その優しさ故に自ら破滅へと進んで歩いていく様に、なんとも言えないやりきれなさが残ります。
 また、理不尽な暴力が果てもなく繰り返されるストーリーは、思わず目を背けたくなるほどで、苦手な人には全く向きません。
 そんな全部を引っくるめて、社会の裏側を否応なく突きつける、ある種の社会派の作品といえそうです。

映画コーディネーター・門倉カド