劇場公開日 2017年1月13日

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「表層だけでも面白いNWRのやりたい放題。」ネオン・デーモン バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5表層だけでも面白いNWRのやりたい放題。

2017年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

外見的な美しさに囚われた女性たちの悲劇、と捉えることもできるが、「人間なんて中身より見た目」という価値観に対して批判している様子もないところがこの映画の面白さであり、ニコラス・ウィンディング・レフンの特異さだろう。

エル・ファニング演じるピュアナチュラルビューティーも、エルになりたいギスギスした女たちも余計な理屈は一切考えない。美しくなり、チヤホヤされてたい。シンプルな行動原理がもはや潔く感じられ、疑義を呈するマトモな男の方がバカに見えるあべこべさも可笑しい。ベラ・ヒースコート、アビー・リー・カーショウと本来なら文句のつけようがない美女たちもレフンにによって巧みに輝きを奪われている。

映像はケレンがあり過ぎてダサく見える瞬間も少なくないが、この表層的な物語においては薄っぺらいビジュアルも必然に思えてくる。ヘンな監督が作ったヘンな映画を、存分に楽しませてもらった。

村山章