劇場公開日 2016年7月16日

「つらい映画」いしぶみ xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0つらい映画

2016年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

どんなレビューを書くか、とても迷った。
ただ、眠気に負けたという一通の感想じゃあまりに悲しい。
まとまってないが、書かなくてはと思って書く。
ポレポレ座で見たのだが、その後、是枝監督の質疑応答があった。
だれも質問しないものだから、僕が手をあげた。
「とても胸にしみた映画でした。なぜ、こういう映画を作ろうと思ったのですか」とシンプルな質問をした。
「この映画は広島テレビで、杉村春子さんでやったものなんです。そのリメークを依頼されて、作ったものです」
「語り手は杉村さんが母親として語っている。今度は綾瀬さんが先生として伝えるというアレンジをしています」
「それから、当初は原爆を落とした側の日常を描いてみようと思ってました。ところが、中学生は全員死んだのではなく、何らかの理由で登校せずに生き残った人もいることがわかった。視点を変えてその生き残った人に焦点を当てることにしました」
本当に誠実に答えてくれた。
この映画を作った大きな理由が、これは過去の話としてとらえるのではなく、いまも起こりうることなんだということ。
特にきな臭いにおいのする昨今だから。
生き残った人(当時中学生も84歳になっている)の言葉
「死んだ彼らの分までしっかりと生きなければ」とインタビューで答えたのだけど、それがあまりにも立派すぎたとあとで恥じた。だけど、ひとつの判断基準として、そのことはず~と私の中に、私の人生に息づいていたのも事実だ。
よくも悪くも、とても重い経験だったのだろう。僕たちももっと想像力を駆使して考えなければいけないことがたくさんあると思う。

xtc4241