劇場公開日 2016年9月1日

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「後付けイリュージョン」グランド・イリュージョン 見破られたトリック 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0後付けイリュージョン

2017年1月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

楽しみにしていた「グランド・イリュージョン」続編だが、前作ほどのワクワク感は無かった。
前作はあれほど面白かったのに…。

引き続きテンポは快調、イリュージョンの数々はド派手で華麗。
クライマックスの大晦日のロンドンでの一大イリュージョンこそ最大の見せ場だが、中盤の厳重セキュリティの保管庫でのカードマジックに魅せられた。
今回も楽しいのは楽しいが、前作が良かったのは、ルパン三世と銭形のとっつあんのような追いつ追われつの攻防、それが最高に盛り上がった所でのどんでん返しであった。
今回は…

カムバックしたホースメンは、巨大IT企業の不正を暴こうとする。
が、まさかの失敗、若き天才エンジニアが科学の力で立ち塞がる…。

ホースメンを襲う危機また危機。見る者を翻弄し続けてきたホースメンがまんまとしてやられ、何だかちと残念。
イリュージョンvsサイエンスの構図はいい。どれだけ凄い科学力かと思ったら、そんなに脅威的でもなく。NYからマカオへの瞬時の移動なんて、結局やってる事はホースメンと同じ“イリュージョン”。
誰と誰が繋がって、思惑が蠢いて、裏にはアノ人物が…、ある人物の過去の真相とか、二転三転する“種明かし”は捻ってるようで、綺麗に纏まった前作の強引な後付けにしか思えなかった。
スカっとするカタルシスに欠けた。

新キャストに、魔法学校を卒業してぼんぼんエンジニアになったダニエル・ラドクリフ。“パパ”が居なければ、彼一人に黒幕は重荷だった。
ホースメンの新メンバー、初めましてのリジー・キャプランの陽気なキャラは悪くないが、メラニー・ロラン級の華には…。
新キャラで際立ったのが“ウディ・ハレルソン”なのが皮肉。

1回目のイリュージョンは最高級、2回目のイリュージョンは凝りすぎた。
挽回の3回目のイリュージョンは…あるのかな??

近大