劇場公開日 2017年7月22日

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「「ウィッチ」の沼に否応無しにハマっていく」ウィッチ Ilさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「ウィッチ」の沼に否応無しにハマっていく

2017年8月10日
iPhoneアプリから投稿

まず1番に印象的かつこの映画の特筆すべき点であるのが音響効果。主に劇伴と環境音による映画の雰囲気、世界観作りにとても効果的に貢献してるなと思った。流すタイミングも含めてとても演出によって曖昧でありながらメリハリのある感じに計算されているなと。

物語は村離れの森の近くで自炊生活を始めた家族が宗教への信仰心と、それとは別の家族自身に対する感情の両立に苦しめられていく様がこっちから見ていてと見苦しい程丁寧に描かれていた。
主軸である長女役の女優の存在感は凄いが、もう1人、威厳があるのは声だけで、自らの宗教観と家族の生活に上手く折り合いを付けれず、有事の対応に後手になり最悪の結果を引き起こす(ある意味ではコイツが悪魔の化身だと個人的に思っている)父親を演じきった俳優さんも素晴らしいと思った。

観る前にいくつか聞いた前評判の中でキューブリックの「シャイニング」に近しい部分があるという論評があったが、なる程、隔離された環境、登場人物たちの内面に惨たらしく入り込む恐怖演出、突如挿入される脅かし音など共通またはそれを彷彿とさせる所はあると思った。
間違いなく上質かつ心を抉るホラー映画である事は間違いないので今夏に1回は魔女の虜になってみるのもいいかもしれない。

Il