ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー : 映画評論・批評

ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー

劇場公開日 2016年12月16日
2016年12月14日更新 2016年12月16日よりTOHOシネマズ日劇ほかにてロードショー

世界観に迫真性を与え、作戦遂行活劇を徹底。これぞ俺たちが観たかった「スター・ウォーズ」!!

なるほど「エピソード3.5」という噂は嘘じゃない。おなじみ遠方へとスクロールするタイトルで始まってもおかしくないくらい、「スター・ウォーズ」(以下:SW)の正史に踏み込んだ作品だ。

帝国が銀河宇宙に侵攻の手を伸ばし、ジェダイを無力化した暗黒の時代。惑星をまるごと破壊する帝国の究極兵器デス・スターが完成する。だが開発者であるゲイレン・アーソ(マッツ・ミケルセン)は、動力炉を破壊すれば無機能になる弱点を意図的に設計。生き別れの娘ジン(フェリシティ・ジョーンズ)はそんな父の平和への意志を受け、設計図のデータが保管してある惑星スカリフに乗り込み、針をも通さぬ帝国軍の守りをかいくぐって情報の奪取に挑む。

ドロイドが成功確率の絶望的なまでの低さを分析し、もはや降伏しかないと反乱同盟国の結束も揺らぐ中、それでも「本当の正義」を成すべく集まった者たち(=ローグ・ワン)による、捨て身の作戦が決行されるのだ。

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重い内容なのか? と思うだろう。確かに正義という名分のもと、反乱軍側も手段を選ばぬ戦いを展開してきた、そんな混沌を描く本作はSWユニバースに苛烈な戦場の匂いを立ち込めさせる。なによりも、そこに含まれるメンタリティは昨今の紛争の縮図であり、ファンタジックな風趣の濃い同シリーズの世界観に、生々しい迫真性が与えられている。

しかし同時に本作は、ミッション遂行アクション劇ならではの興奮と快楽性を極限まで追求し、これぞSWという見せ場の連続を繰り広げていく。特にクライマックスとなる、設計図奪取のための地上戦と宇宙艦隊戦がクロスするアップテンポな約40分間は、エピソード6「ジェダイの復讐(帰還)」(83)における新造デス・スターへのアタック攻撃を増大化させたスペクタクルで観る者を圧倒。「いま自分はSWを観ているんだ!!」という実感で胸をいっぱいに満たしてくれる。

前作「フォースの覚醒」(15)は、ジョージ・ルーカスが格式ばった謀反劇にしたSWを冒険活劇へと戻すための、旧来のファンに媚びた作為が見え透き、少し嫌味に思えた。だが「ローグ・ワン」は、同シリーズを観て育った作り手が自発的に「俺たちが観たかったSW」を徹底させた創意が感じられ、その本気に心から敬服させられる。製作中はネガティブな情報や憶測が伝わってきたが 仕上がってみればギャレス・エドワーズ監督は「GODZILLA ゴジラ」(14)に次いで、長い歴史を持つコンテンツを再び活気づかせるのに成功したようだ。やはり希望はフォースと共にある。

尾崎一男

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