劇場公開日 2016年3月19日

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「知られざる砂糖の真実」あまくない砂糖の話 フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

知られざる砂糖の真実

2017年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

知的

体を張って砂糖の人体実験をする男の話

脂肪分やカロリーばかり気にしていたが、砂糖(ショ糖)にも注意した方がいいと気づかされた。

一日の平均砂糖摂取量がスプーン40杯のオーストラリア。すでにその時点で驚きだが、それ以上に驚愕の事実がどんどん露わになっていく展開は下手な謎解き映画より面白い。

ちなみに平成9年度で日本は一日平均66gだそうな。4gがスプーン1杯だから一日16~17杯の砂糖をとっている計算になる。
良かった、オーストラリアの半分だ。
自分はあまり甘い物が好きではないので、大丈夫かなと思ったもののあれほど色んな食品に含まれているなら安心できない。
砂糖が具体的にどう体に悪いのかも見せてくれるが、それよりも驚くのは人体の適応能力だろう。
どんな状況にも慣れてしまう構造に関心しつつ、せめて食べ物位はしかっり自分の意志でコントロールしていこうと思った。

砂糖への警鐘を鳴らしている主人公達以外に砂糖が危険だなんて誰も教えてくれなかったので、この映画は大いに勉強になった。

それに大企業の利益重視の商品開発、宣伝、全く消費者の健康を考えていない点は驚いたし恐ろしかった。
途中で虫歯の青年が出てきて、歯を総入れ歯にしようとするのだが、めちゃくちゃ痛そうだった。
あんなに痛い思いをしたのに虫歯の原因であるジュースを飲むのを止めるつもりは無いなんて・・・
歯医者より教育が必要だと歯科医が言っていたが正にその通りだと思った。

本作はドキュメンタリーの部類だが、過度な映像加工のため作り物然とした雰囲気や冗談めいた演出が目に付く。
監督の意図がどうかわからないが、全体的にノリが軽いので若干不真面目な印象。
ドキュメンタリーなら視覚効果で目を引かせるより、もっと内容で勝負した方が危機感や現実なのだと伝えられた気がする。

この手の作品は「スーパーサイズ・ミー」しか見ていないが、どちらも事実を確かめるために実験する。しかしどことなく悪ふざけ感があるテンションなのが残念だ。

それでも、実験結果や博士等の話、悲惨な現状には目を見張るものが有り、知的好奇心も満足いく内容だった。

この映画の全てが真実とは限らないし、鵜呑みにするつもりもないが、食べ物に関心がわいたし注意しようと思った。
ダイエットや健康に気をつけている人にはおすすめの作品だ。

劇中セリフより

「人々を肥満にさせるのは『企業の欲望』かも」

企業は利益重視

宣伝や口コミに惑わされず、しっかり自分で判断できるようになりたいものです。

フリント