X-MEN:アポカリプス : 映画評論・批評

X-MEN:アポカリプス

劇場公開日 2016年8月11日
2016年8月9日更新 2016年8月11日よりTOHOシネマズスカラ座ほかにてロードショー

最強の敵、降臨!世代を超えたメンバーの勇気と絆が試されるトリロジー最終章

未知なる能力、無限の可能性をXという記号に託して快進撃を続けるミュータントたち。これまでシリーズは突然変異のような枝分かれを遂げ、とりわけ「X-MEN:ファーストジェネレーション」に始まる新3部作では一作ごとに10年後の物語を描くという異色ぶりを繰り広げてきた。まるで「ビフォア・サンライズ」シリーズのようなこの試みも本作でようやく旧3部作へとバトンをつなぐ完結編となる。

そんなわけで、60年代、70年代を駆け抜けた我々はついに、ハードロック、革ジャンがトレードマークの80年代へと突入する。プロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)が運営する学園が発展を続ける中、遥かエジプトでは古代の封印が解かれ、神と崇められた人類最古のミュータント“アポカリプス”が復活。堕落した世界を嘆き、全てを滅ぼしてリセットすることを宣言するのだが————。

豊富な敵キャラに恵まれたマーベル・コミックの中でも今回のアポカリプスは史上最強レベルと謳われた存在。演じるオスカー・アイザックも期待にたがわずシリーズ史上ぶっちぎりのキャラの濃さを見せつける。

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かくも強大な敵に対し、おなじみの面々だって負けてはいない。主要メンバーは今や中年の域に達し、ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)に至ってはアポカリプス打倒のためチームを牽引する役目を担うことに。そんな彼女やプロフェッサー、マグニートー(マイケル・ファスベンダー)が遠い目をして昔を懐かしむ様に胸がジンとくるのは、観客もまた数十年に及ぶ時間の流れを共に旅してきたからだろう。

新たな世代も台頭する。旧3部作のメンバーも若き日の姿で続々と登場。そして超音速のクイックシルバー(エヴァン・ピータース)はまたも鮮やかな躍動ぶりで瞬く間に場面をかっさらっていく。突拍子のない個々の特殊能力を最大限に引き出しながら縦横無尽なアクションを紡いでいくのは第1作目からシリーズを束ねるブライアン・シンガー監督ならでは。その作風からは相変わらず「人と違うことは素晴らしい」というメッセージが聞こえてくる。

古参メンバーに新世代が加わって揺るぎない絆が確立されるのも3部作完結編として納得できる着地点だ。彼らがいかにして身を粉にして強敵に立ち向かい地球の運命を切り開くのか、その結末をしかと見届けてほしい。鑑賞後、これにつながる旧3部作を見直すと、きっと以前とは違った余韻がこみ上げてくるはずである。

牛津厚信

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