劇場公開日 2016年10月14日

「それぢわ れびゅ~を はじぬる」GANTZ:O 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5それぢわ れびゅ~を はじぬる

2017年3月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

萌える

実写版もヒットした人気コミックをフルCGでアニメ映画化。
話は原作の人気エピソードらしく、実写版しか見てない者としては話に付いていけないのでは?…と思ったが、話の入り方も展開も実写版と全く同じで、初心者でもすんなり見れる。
変に途中から話が始まらなくて良かった…。

奇抜な設定は一応把握してるので省き、今作の一番の見所と言って過言ではないのが、映像。
同じ感想を重ねるようになるけど、
スッゲェ~リアル!!
あの街並みとか、背景とか、光加減とか、実景を見ているよう。CGアニメとは思えん!
キャラ描写も動きもリアル。
特に女性キャラの髪の滑らかさには驚いた。(しかも、ヒロイン二人が可愛くて良い!)
もうちょっと表情が多々表現されたら尚良かったが、それでも日本CGアニメの底力を見た。

このハイクオリティーCGがさらに活かされた点が、二つ。
まず一つは、アクション。実写では到底無理なアクションを描写。
実写版のアクションも悪くはなかったが、例えば本作では、動き回る敵の身体によじ登り、捕まった仲間を助けようとするシーンなど、スピーディーさもアングルもCGアニメだからこそ出来た表現。その上リアルで迫力増し。
次に、敵。
クリーチャー描写はハイクオリティーCGの最高の醍醐味ではなかろうか。
今回の異星人は妖怪型というのが、何だか面白さを駆り立てる。
日本人にとっては古くからお馴染みの妖怪たちが、リアルな姿でたくさん登場。
不気味でもあり、かなり恐ろしく、そして強く、幼い子供が見たら泣き出してしまいそうだが、愛着沸かずにはいられなかった。
特に、妖怪たちの総大将とされるぬらりひょん。強過ぎでしょ…!
また、突然の「パシフィック・リム」かよ!?…と思わせるバトルシーンがあり、急に妖怪から怪獣になってしまったが、ニヤリと燃えた。

微妙な点も。
リアルな映像や迫力のアクションありきなので、話は淡白。
勿論分かり易いし、初心者や実写版のみの人でも見れるのはレビューの最初でも触れたように有り難いが、特別捻ったとか凝った話でもなく、どうしてこれが人気エピソードで今回映像化されたのだろうとつい思ってしまった。
で、大坂チームの面々。
何度もクリアしてる強豪だが、見せ場と言うか名前や台詞があったのは数名だけ。
その中の二人(プラス後一人)、確かに強いのは強いが、結構あっさりともやられる。
キャラの個性が弱いと言えば、弱小東京チームも。
“きょにゅう”美人モデルは何か特別な役回りでもあるのかと思ったら、ただ巨乳が目立ってただけ。
“ハゲ”のおっさんは通常の3倍役に立ってなかった。
キャラで良かったのは、大坂のねーちゃん。
あのシーンであんな台詞を言い、絶対そういう結末になるだろうと察し、感情移入してしまうではないか!

主人公の“かとうちゃ(笑)”は、実写版で松ケンが演じてた役。
ちょっと不良っぽいが、たった一人の弟の為に絶対生き残ると誓い、誰だろうと見捨てず助けようとする熱く優しい正義感は同じ。
となると、二宮が演じてたもう一人の主人公は…?
ちゃんと出てるし、最後の最後、“きょにゅう”や“ハゲ”が何であんなに“かとうちゃ(笑)”に親切なのかとか、彼が今回初めてなのに何であんなに強いのかとか、なるほど、そういう事だったのか!

総じて、実写版よりずっと面白かった。
続編作られたら是非ともまた見たい!

近大