劇場公開日 2016年1月9日

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「単純な逃走劇に隠された、綿密な計画。1本取られるクライム・サスペンス。」タイム・トゥ・ラン 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5単純な逃走劇に隠された、綿密な計画。1本取られるクライム・サスペンス。

2016年1月12日
PCから投稿

悲しい

怖い

興奮

【賛否両論チェック】
賛:主人公の逃走劇に、純粋にハラハラさせられていくうちに、意外性のある展開が待っているのが見事。
否:やや感傷的な終わり方には、違和感も残る。

 娘のために、超えてはならない一線を超えてしまった主人公が、そんな中でも冷静に、金を娘の下へ届けるべく奔走していく様が、緊迫した攻防と共に描かれていきます。
 単純なストーリーだと思って油断していると、予想外の仕掛けに1本取られます。劇中でも語られていますが、ディーラーの主人公が、普段から客に片方の手を見せている間に、もう片方の手で仕掛けを施しているのと同じように、今回の強奪事件にも、巧妙な計画が仕組まれているのが圧巻です。
 終わり方はやや賛否ありそうな印象もしましたが、ハラハラと同時に家族の絆も再確認出来るような、そんな作品です。

映画コーディネーター・門倉カド