クリムゾン・ピークのレビュー・感想・評価
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ダークミステリーの力作
現代に入るころの時代、人々の中には幽霊を信じるものも数多くいる。
主人公のイーディスは幽霊をモチーフにした小説を執筆する旧家のお嬢様。
彼女の父のもとには資産家や有識者などが集い、いくつもの事業を考案し実行していた。
そこに融資を求め、トーマスがやってくる。そしてイーディスと出会うことになる。
今回のターゲットが決定した瞬間だ。
この時代背景と彼女の小説、そして彼女の霊体験という設定がこの作品の下地となり不気味さと同時に想像上のリアリティを高めている。
トーマスには姉のルシールがいて、パーティでピアノ演奏するのだが、彼女は胸に含みを持っており、何を考えているのかわからない。
この怪しげな姉弟の目的はお金で、そのためには何でもする、してきた。
イーディスは騙され、父が殺害され、アメリカからイングランドへ移住、弁護士を使い彼女の財産をすべて手に入れる最終段階になった。
お茶に毒を盛られ始め、一日に何度もお茶の時間がある。
姉弟の本拠地であるイングランドの古い城は、この物語がおどろおどろしいものであることを伝えているが、イーディスが見る幽霊によって、これがホラーなのかミステリーなのか拡販される。そしてルシールが纏うイーディスへの微妙な態度が気味が悪い。
子供がこの作品を見るとホラーになるのだろう。しかし彼女に見える幽霊は、彼女に起きた出来事を伝えている。
おそらく、姉弟の父による暴力と、二人のゆがんだ関係がこの城で起きた一連の事件を引き起こしていったのだろう。
そうしてこの姉弟は散財しながら次々と結婚してはその家族を殺し財産を手に入れながら、はるばるアメリカまで来たのだ。
彼ら姉弟の動機の設定は完ぺきだ。おどろおどろしく吐き気がする。
そしてミステリー要素もたっぷりとある。
視聴者は、イーディスの父が何者かによって殺されたことを知っているが、姉弟のどっちかまではわからない。
彼らの目的が財産だということを理解しつつ、彼女が婚約者トーマスとともにイングランドまで行ってこの先どうなるのか心配になる。
城にいた彼の姉ルシールの冷遇が、この姉弟に隠された影を演出する。
特に郵便局への帰りに帰れず宿泊したことで、ルシールの異常さが明確になる。
この作品の型そのものは古くからあるグリム童話などのものと同じだ。
しかし幽霊や事件や彼らの過去までたくさんの要素が入り混じることで、作品の重厚さが増している。
また、伏線の張り方が明確で、少しずつ真相の輪郭が見えてくるという表現方法は、見るものを飽きさせない。
最後にイーディスがルシールにスコップで一撃を加えるが、彼女は再び襲ってくることがない。
これは、彼女がトーマスを刺殺したとき、彼女自身が本当は何が大切だったのかわかったからだろう。
それでもルシールはしつこくイーディスを追いかけ対峙するが、心の中では「殺してほしい」と願っていたと想像した。
姉弟が両親を殺したきっかけが今一つよくわからなかったが、ここがもっと明確になればいいと思った。
とても気持ち悪い話
ゴースト必要ないし、シャープは兄弟で近親相姦しているし、イーディスの父親の殺し方が凄惨すぎて本当に見ていられなかった。
なんでわざわざあんな殺し方するのかな?本当グロすぎ。トラウマになるレベル。
良かったのはイーディスが可愛かったことと、ドレスや建物、内装などのデザインや雰囲気が良かったことだけかな。
グロテスクでエッチな描写が好きなら見れば良いけど、そうじゃないなら見ない方がよし。
デル・トロ監督にしては
やや物足りない印象。ヒドルストン、ワシコウスカなどはぴったりだったと思うけど、美術や映像も怪しくて美しかったと思うのだがね。
何でだろう、言語化できない。
【”幽霊は居る・・。”禁じられた恋が惹き起こしてしまった恐ろしき事を、独特の映像美で描いたゴシック・ホラーの逸品。ジェシカ・チャステインが哀しくも、怖いです・・。】
■20世紀初頭のニューヨーク。
作家の卵イーディス(ミア・ワシコウスカ)は準男爵の称号を持つトーマス(トム・ヒドルストン)と出会い、恋に落ちる。
だが、父は”あの男は好きではない”と言ってトーマスを娘と合わせようとしない。
だが、その父の不可解な死後、イーディスはトーマスと結婚してイギリスの丘陵地隊「クリムゾン・ピーク」にある彼の屋敷へやってくる。
そこにはトーマスの謎めいた姉ルシール・シャープ(ジェシカ・チャステイン)も住んでいて、やがてイーディスの前に、紅い幻影や亡霊が現れる様になる。
◆感想<Caition!内容に触れています。>
・イギリスの丘陵地隊「クリムゾン・ピーク」にあるシャープ家の屋敷の装飾、ゴシック感は今作に深い趣を与えている。
・そして、トーマスの”姉”ルシール・シャープを演じたジェシカ・チャステインも、今までに見て来た彼女には無い妖艶さや不気味さを漂わせている。
■少し、残念だったのは物語の途中で、全容が見えてしまった事であろうか。
金持ちの娘にトーマスが近づき、結婚しその娘の財産を奪っていくという構図がである。
但し、今作ではトーマスはイーディスに真の恋をしてしまったのである。
故に、性愛関係にあった姉に殺されてしまうのである。
<イーディスを助けに、ニューヨークからやって来たアラン・マクマイケル(チャーリー・ハナム)と、イーディスの関係性をもう少し掘り下げて描いて欲しいとは思ったが、今作は本格的なゴシック・ホラーであり、且つ歪んだ性愛が齎してしまった悲劇を描いた作品なのである。>
ゴースト必要?
トムヒドルストンがイーディスのこと好きになる理由がわからなくて後半ついていけない
ギルレモ好きか映像重視の人はたまらなそう
何回も刺されて何回も抜いて血噴き出て🥺
クリムゾンピークに気をつけろだけ言われてもな
ギレルモ・デル・トロの傑作
この監督の持つ美意識は単に独特の世界観の構築だけでもなければ物語の異様さだけでもない。あくまでも映画と言う媒体を良く知った上での美意識の発露であり物語の堅牢な構築である。この作家は見る作品が増えれば増えるほどこの作家に取り込まれていく。この作品もシンプルながらも美しく異様でシンプルである。
西洋風の横溝ミステリー
ミステリーを描かせたら、独特なダークな世界観で魅了する、鬼才ギレルモ・デル・トロが手掛けたゴシック・ホラー。時は、1900年代初頭。近代産業の発展が目覚ましいニューヨークから、イングランドの北の大地に佇む、ホーンテッド・マンションのような古城が舞台。
古城の内装や家具、絵画、調度品は、ゴシック芸術とも思えるほどの美しさと共に、ミステリアスなダークな雰囲気を醸し出している。そして、この古城の土地が、赤い粘土質の土地の上に建ち、そこに降る雪との紅白のコントラストは、『デル・トロ美』とも言える不気味さや恐怖を煽る演出とも言える。
内容の落としどころは、醜悪な近親相関、血に彩られた血縁関係等、横溝正史ミステリーではお馴染みのドロドロしたお家騒動。西洋版の横溝ミステリーといった印象が残る作品。また、地下にある真っ赤な粘土が収められている樽は、『悪魔の手毬唄』のワイン樽で殺されるシーンの舞台と大変よく似ていた。
幼い時に母を亡くしたイ―ディスは、それ以降、母の幽霊を見るようになる。そして、イ―ディスがレディーへと成長すると、資産家の父までも謎の死を遂げる。父の元を訪れていた発明家のトーマスは、傷心の彼女の心の隙に潜り込んで結婚し、姉のルシールが住むイングランドの古城へと連れ帰る。しかし、この結婚は、イ―ディスを貶める為の、トーマスとルシールによる、血塗られた策略でもあった。
そして、その夜から再びイ―ディスの前に悍ましい姿をした幽霊が、「クリムゾン・ピークに気をつけろ」の言葉と共に現れる。その「クリムゾン・ピーク」こそが、この古城のことだとイ―ディスが気づいた時には、トーマスとルシールの魔の手が忍びこんできていた。
出演者は、なかなか注目すべき俳優が揃っている。イ―ディスには、『アリス・イン・ワンダーランド』で少女のアリスを演じたミア・ワシコウスカが演じ、随分成長した姿を見せていた。イ―ディスの夫となったトーマスには、『マイティー・ソー』でソーの弟のロキで、ハリウッド進出を果たしたトム・ヒドルストン。そして、『オデッセイ』や『スノー・ホワイト』等、多くの作品にも出演している実力者女優・ジェシカ・チャスティンが、謎めいたトーマスの姉・ルシールを演じている。
物理で勝つ!
産業革命が進んだ頃の米国の貴族達に、掘削機のプレゼンをしに来た英国の男に心を奪われ結婚して英国の彼とその姉の屋敷で住む主人公の女性を襲う恐怖、という映画。
すごい映画だったなあ。
主人公が、"自分で、自分の力で" 助かる映画だったなあ。そんなところを監督が狙っているのではないとわかった上でも、そこが圧巻すぎて、他の印象がすべて吹き飛ぶ。
幽霊も、人間も、主人公を助けることはできないのだが、彼女が自分の力で勝利を勝ち取る。ナイフで、シャベルで、ナタに対抗し、「お姉さん、闘いの途中で情を持ち込んでしまっては、そういうものに油断しない主人公に負けてしまうのは、事の道理かもしれませんよ」と姉に呼びかけたくなるほどの、終盤の展開にとにかく圧倒されました。
中世〜近世の衣裳や建物、馬車の描き方もそれは見事だったのだけれど、やはり上記した終盤の展開は、それらの記憶もすべて吹き飛ばしてしまうパワー全開の終盤でした。いやはや。
映像が美しい(だけ)
皆さんレビューでお書きのように怖くない&話の展開がベタ。禁忌の関係にあった兄姉が、生きていくために連続殺人をしていたけれど、結局、その二人も最後には死んじゃった、というオチ。犬はどうなったかとか、医者が助けに来るときに「そこ一人で来る?」的なところとか、お姉さんが超絶強すぎるだろとか突っ込みどころ満載でしたが、映像がいちいち綺麗で、映画館で観ると壮観なんだろうな、という感想だけが残りました。
デル・トロのゴシックホラーサスペンス
デル・トロ監督のゴシック調ホラーサスペンスというモリモリな作品。配役がとても良く、セットデザインもさすがデル・トロかといったところ。肝心の内容だがサスペンス部分はそこまで意外性もなく割と早めにオチが読めてしまう。ホラーはまあまぁ。主人公が弱々しい女性なのでゴーストが補助役というかお助け要素として働いているのだが、果たして必要だったか?と問われると答えに窮する。
全体の雰囲気とデザインセンスは申し分ないが、内容はそこそこといったところ。
ビジュアルに全振り!
ホラー系が苦手な私でも見れる感じだろうなとは思いましたが、案の定そんなに怖くなかった!!
幽霊がガッツリ出てくる割にはそこまでの力は無く…ちょっと残念!
内容も最初からなんの捻りもないからそこが残念…
というかお姉さんが笑っちゃうほど強いwwwww
主人公も毒盛られて脚骨折してる割には強い!ww
弟は秒で死んじゃうし、まあ本当全て予想出来ちゃう展開でしたね( ・∇・)
色々とツッコミどころ満載ですが、お屋敷に衣装、俳優さん、ビジュアルが本当に綺麗なので許せます。
まあなんの気なしに観れる映画だと思います。
あるあるだけど、どう見てもかっこよくて優しいアランの方には行かず悪い男に行っちゃう主人公ってなんなんですかね…
トムヒももちろんかっこいいけど終始どっちつかずでフニャフニャ…
てかワンワンどうなったのよ…兄弟が幽霊になったのはまだしも殺された人たちもさまよい続けるの?🥺
映像にかけすぎて予算が足りなくなったか
主人公:トーマスに惚れて結婚する女
主人公の父:トーマスが大嫌いでルシールに殺されてしまう
医者:主人公を救いたい男
トーマス(弟):姉とラブラブだったけど主人公を本気で好きになる
ルシール(姉):弟大好きコンプレックスで主人公に嫉妬しまくるラスボス
財産目当ての姉弟がいて、
弟がいろんなお金持ち女性と結婚しまくり、
本当の愛が芽生えると面倒なので姉が殺す(とか言ってただの嫉妬)。
こんなやり方で生計を立ててきた。
主人公も同じく騙されて結婚するが、
幽霊を見る能力のおかげで、殺された女性たちの霊から暗示されて脱出する話。
ストーリーは薄いけど映像はとにかく綺麗。
昔なら映像だけでも受けていたと思うが、今見ると何かが足りない。
医者はピンチの主人公を助けて最後は二人で脱出すると思ったらあっさりやられて退場。
ルシールはいろいろと生活苦があったようだが、彼女の口から語られるだけでなかなか感情移入できない。
トーマスもどうしたいのか優柔不断で芯がなく、筋書きが断片的で突飛に見える。
例えばルシールが主人公に毒入り茶を飲ませ、ろくに歩けない状態になるのだが、
それを知った後の行動が、寝込んでいる彼女に「お茶は飲んではいけないよ」と告げ、姉と口論するだけで解決しない流れ。
姑の嫁いびりに対処できず妻を苦しめてしまう夫か。
姉の前で医者を殺す気概を見せるシーンでも、
「おまえを殺したくない。刺しても死なない場所はどこだ?」
「ココダ・・・」
ズブリ。とするのだが、この会話ができるなら刺さなくてもやりようあっただろうに。
しかもわりと重傷の模様。
主人公はこんなよく分からない男といきなり恋に落ちた点以外はまともだが、
タイトルのクリムゾン・ピークってこの映画で大事なワードなのか?
いろいろと描写が足りていないような気がした。
いっそ幽霊の出る館の嫁姑バトル映画に振り切れば面白かったのでは。
ギレルモデルトロの美意識
前に観た時は、がっつりホラーを期待していったのに、あまり怖くないし、お化けが作り物すぎてガッカリした。
#ギレルモデルトロ の世界観に慣れてくると、
彼の世界の美しさが分かってくる。
古い屋敷の屋根には大穴が空いており、いつも木の葉や雪が舞い落ちるのが、なんとも美しい。
残酷なストーリーや演出の中にも、彼の美意識は隅々まで行き渡る。
#ミアワシコウスカ のピュアな美しさ。レースたっぷりのドレスは、まるでお人形さんのよう。
#ジェシカチャステイン 妖しい美しさ。そして狂気にゾクゾクする。
#トムヒドルストン 弱さ、優しさ。ロキのチャラさは微塵もない(笑)
映像だけでなく、キャストもとても良かった。
映画は観るたびに味わいも違う。それがまた面白い。
ゴシックホラーというらしい
あまり期待していなかったのだけれどこの時代の建物・ファッション・文化・風土が感じられて観ていて楽しかった。
アメリカの実業家の豊かな屋敷からイギリスの朽ちた古城に場面が移ると物語は急に不穏になる。画面に常に映り込む蛾。埃。汚れやシミ。潔癖症の自分には古城はきつかった。
犬必要だったのか?
幼子時代に見た母の幽霊がなんで未来のことを忠告したのか?
土地や建物に幽霊が居つくのなら幼子時代と古城にいる間以外に幽霊を見ないのはなぜ?
急にトーマスがホワイトウォーカーになって現れたのはなぜ?
等々不思議箇所はあったが。
あの掘削機に巻き込まれて死ぬか、赤い粘土に飲まれて死ぬかすると思ったのだけど
そんなシーンはなくて、あの赤い粘土の必要性あったのかなと思った。
ルシールが美しくて妖艶だった。
雪と赤
雪が降る屋敷で天井に穴が空いているという風景。広大な敷地では掘削機によって赤い粘土を掘り出そうとしていて、雪が赤に染まっていて異様な風景。屋敷にはエレベーターも備え付けられていて、地下室には赤い粘土が貯められたタンクがずらり。屋敷内に蛾が飛び交う不気味さもあったが、CGだとわかるのでそれほど汚くは感じない。
遺産目当てでロンドン、パリ、ミラノと、あちこちの女性と偽装結婚を繰り返していたトーマス(ヒドルストン)であったが、すべては近親相姦となる姉ルシール(チャスティン)との愛のためだったのだ。そのおどろおどろしさは伝わってこないものの、悲しみの花嫁たるイーディス(ワシンコウスカ)の切なさが感じられる。
必ず紅茶に毒を入れて殺そうとしていたルシール。弟トーマスはイーディスを真剣に愛し始めていたため、やめてくれと願うが、狂気の形相をしたルシールが迫りくる。クライマックスではイーディスの父親を殺したのも自分たちの母親を殺したのもルシールであることが明かされる。アメリカからイーディスの幼なじみの医者アランが助けにやってくるが最後の死闘はちょっと引いてしまうほど・・・
(ほぼ備忘録)
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