劇場公開日 2017年4月29日

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「木村さん!」無限の住人 ゾンビさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0木村さん!

2017年6月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作は途中でリタイアしてしまいましたが、映画化された部分は大昔に読んでいて、それが三池監督の手で映画化とくれば、天下のキムタクが遠慮なく血みどろにされる画を期待しては今か今かと待ち望んでいたのです。
実は鑑賞前は徐々に不安になってましたが…笑、予想より面白かったですよ。

・コスプレ感がすごいけど演者の魅力もある
ハマってたなぁと思うのは、ぶっきらぼうさが本人と似てるよキムタク、色気があるよ福士くん、ゲス役が似合うよ市原隼人、のお三方でしょうか。
栗山千明がまったく活躍しないままだったのはもったいないですよ…。せっかくのGOGO夕張なのに。
ほかの皆々さまも、それぞれに濃ゆい漫画キャラを存分に演じつつアッサリと退場していくので(えっこんな立派そうな箸を使い捨てにしていいんですか?!)みたいな。例えヘタか。

・がんばって詰め込んだ脚本
万次の過去、万次と凜、逸刀流との闘い、ラストバトルと盛りだくさんだけど、こじれることなく最後まで進みます。その分ダイジェスト感は強いですが。
逸刀流一派の背景描写が皆無だけど、それやってたら終わらないですしね。戸田恵梨香の演じた槇絵くらいはあってもよかった…?

・腕もげる
これでPG12かぁと思うくらい斬る斬られる。100人+300人+その他。腕や脚がもげたり、原作通りの悪趣味な描写も多くてちょっと心配ですが。
とは言え個人的には、樹に引っかかった腕をたぐり寄せようとするキムタクがベスト!!

・コメディ感が希薄
「なんじゃこりゃあ」とか、狙っているところがことごとくスベってるのはどうなんでしょ。スベリ芸なのかそうなのか。
万次と凜の間の抜けたやりとりとか、もっと笑わせるべきところでわかりやすく笑わせてくれていいのに(それこそ妙な間が気になる…)。
悪趣味なシーンでつい笑えてしまう、という狙いはハマりますけど。市原隼人の退場とかもうね。すき。

不死身というトンデモ設定と、中学生が考えたような面白武器での闘いに対して、ふつうの殺陣になると途端に絵面が代わり映えしなくなるので、ラストはもうちょっとタイトにしてよかったかもですね。
同監督の『十三人の刺客』とか、まぁほとんどのチャンバラがそうですけど、「多人数で囲みつつも同士討ちを避けるためなかなか斬り込みにいけない」というムズムズ感が、殺陣の段取りの順番待ちみたいに見えるのはもう仕方ないんでしょうけど、やはりもどかしいです。

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ゾンビ