七日

劇場公開日:

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解説

映像制作集団「大田原愚豚舎」を立ち上げ、故郷の栃木県で映像制作活動を行っている渡辺紘文と渡辺雄司の兄弟が、2015年に手がけた長編映画第2作。北関東の農村で年老いた祖母と2人で暮らし、日々を黙々と働いて過ごす牛飼いの男の7日間を、セリフを一切排したモノクロの映像で描いた。出演にも俳優を起用せず、主人公の牛飼いの男を監督の渡辺紘文が自ら演じ、当時98歳の渡辺の祖母と共演した。15年・第28回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門で上映され、その後は劇場未公開の状態だったが、17年に大田原愚豚舎の長編第3作「プールサイドマン」の公開にあわせて、劇場公開が実現。

2015年製作/110分/日本
配給:大田原愚豚舎
劇場公開日:2017年9月23日

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(C)大田原愚豚舎

映画レビュー

4.5終わりのない日常

2015年10月29日
PCから投稿

泣ける

知的

難しい

祖母と二人で暮らしながら、ひとり牛を飼う男の七日間。
この男の生活は、この映画の前にも、この映画の後にも存在する。
永遠歩く男の後姿、モノクロの映像、長回し、土着的な音楽が脳裏に焼きつく。

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maru

2.5面白くないけど意義は大きい

2015年10月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

正直、内容は面白いものではありません。ただ、これを撮った意義は大いにあったことでしょう。
日本の歴史、チャンバラ、侍、戦争、原発、大都市、そういったものだけが日本映画になり得るわけではなく、むしろこの映画こそが今の日本なのだと実感させられました。

少人数の低予算映画というのは見ていてすぐに分かります。ゆえに、そのこだわりなんかも読み取れるわけですが、あまりにも閉鎖的にものづくりをしているような印象を持ってしまいます。何ものにも左右されないものづくりとものが悪いわけではないと思います。ただ、それを第三者にどのくらい伝え切れているのか疑問です。
とかく映画という媒体であるわけだから、受け取る側のことを考えてもいいのではないかと思います。マニアックな集まりで、それがマニアックな人に伝わればいいというスタンスなのであれば、大衆へ向けての発信はやめてほしいです。

この映画をどのようなスタンスで見ればよいのか迷いました。社会的に捉えればいいのか、ブラックユーモアとして捉えればいいのかーー。結果どっちでもよかったんだけど、そう思えるまであまりにも時間を要するので、もっと観客を早くに安心させてくれる工夫が欲しかったかなーと思います。同時に、もっと目や意識を引きつけててくれるような仕掛けを工夫してくれてもいいのになーと思いました。描かれている1週間のうち、水曜まで異様な睡魔に襲われましたからー。

確かに、決まり切った灰色の日常生活というものは、孤独でつまらないものかもしれません。しかし、その中に喜びやら楽しみやら見出してみんな生きているような気がします。その一つ一つの喜びも悲しみも積み重なっていくことによって、色彩豊かな日常になってくるのではないでしょうか。この映画は一瞬煌めきのようなものを感じさせてくれますが、基本的にすべてが灰色です。暗くてつまらない日常を描きたかったのでしょう。そうとしか思えません。
もし仮に、単に日常生活を丹念に表現したかっただけ、とあくまでも言うのであれば、この映画は欠落したものと言わざるを得ません。小津安二郎や木下恵介のモノクロ映画は色彩豊かであったように思います。それを超えるような映画を期待します。基本的に3人で制作しているチームには酷な願望かもしれませんが、厳しい目で温かく見守っていきたいと思っています。

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SH