劇場公開日 2016年12月17日

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「本当に忘れたものとは」ヒトラーの忘れもの シネマニアV3さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0本当に忘れたものとは

2017年3月23日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

予告で少し明るいトーンも期待してる方に伝えたいです。本編ではほとんどそんなものはありません。緊張感、喪失感が映画の中では連続して最後まで繰り返されます。

当時地雷撤去に召集された約2000名のドイツ兵の内、殆どが少年兵。この事実を僕はこの作品を知るまで全く知りませんでした。僕は生まれた自国を憎もうと思ったことなど一度もありませんでした。けれど、時代が違うだけでこんなにも不条理な出来事があったなんて.....

カメラアングルは常に少年たちにクローズアップされるため重傷、死と常に隣り合わせという感覚を見ている僕自身も実感できました。いつ間違えて不発してしまうかわからない。ましてや、ほとんどが撤去に関して素人。除去シーンはハッキリ言って心臓には良くないと思います。
しかし、時折少年たちが見せる無邪気さと夢。この時代の子供の目もやっぱり、澄んでいました。デンマークを攻めた「彼」だけでなく、少年たちの存在を知った以上、僕はもはや誰を責めることも出来ないと思いました。

最終評価は80点です。
うまく思いを言葉にできませんが、これだけは言えます。憎しみからは本当に憎しみしか生まれません。争いなんて全く意味はない。そう感じました。
邦題、深いですね。忘れものとは地雷か、それともあの砂浜に這いつくばるしかなかった「彼ら」のことか。

あなたはどう思いますか?

シネマニアV3