「ロザムンド・パイクを堪能する映画」リベンジ・トラップ 美しすぎる罠 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ロザムンド・パイクを堪能する映画

2016年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

「ゴーン・ガール」で見せた怪演が印象的なロザムンド・パイク主演のサスペンス映画と言う情報のみで鑑賞した映画でしたが、まあロザムンド・パイク目当てなら、さすがに作品の質は「ゴーン・ガール」に遠く及ばないものの、あの怪演が再びと言った感じでイカれたパイク姐さん自体は十二分に堪能できる映画でした。
凛々しい見た目からは想像もできないような狂気を孕んだキャラを演じさせたら、もはや右に出るものはいないぐらい、この分野はもうお手の物となりましたね。
今後マトモな役を演じても、絶対何かあると穿った見方しかできないかも・・・。

ただ、作品の質はかなり微妙だったと言わざるを得ないかな。
日本では劇場未公開でしたので、それほどの期待はしてませんでしたが、どうしても「ゴーン・ガール」のパイク姐さんのイメージが残っているので、劇場未公開なのに変に期待度が上がってしまった部分はありましたから、いろいろと雑だったのが何か勿体無かったなと・・・。
伏線もあまり有効活用したとは言い難く・・・。
まああちらはデビッド・フィンチャー、こちらは特にヒット作のないマイナーな監督さんの作品ですから、その辺りは致し方ないところでしょうか。

それとこの邦題ね、おかげで話の先が読めすぎて、観終わって何の驚きもなかったです。
原題のままだったら、パイク姐さんの暴挙に少しは驚けた気もするのですが。
あの手紙のやり取りも、もう一工夫欲しかったかなぁ。
あれだと、レイプ犯(何気にイケメン)・・・バカなの?としか思えませんよ。
とは言え、途中もしかして邦題は全く的を得てなくて、意外とヒューマンドラマに落ち着くのでは?と思えた部分もあったりはして、ある意味意外性も感じられなくはなかったですけどね、逆にそれだったらホント金返せ(大して金は払ってませんが)レベルで憤っていたかも(笑)

まあでもこの脚本でも何やかんやで一定の満足感を得られたのは、やはりロザムンド・パイクの存在感に他ならないでしょう。
レイプ前の凛々しさ、レイプされて以降の奇行、どちらもさすがとしか言いようがなかったです。
最終的に、パイク姐さんならあんなことやりかねないなと思わず納得!(欲を言えば元からおかしかった臭は漂わせなかった方が良かったかも)
父親役のニック・ノルティの枯れた演技もお見事でした。
役者の力量に見合った脚本だったら尚良かったんですけどねぇ。

スペランカー