マーシュランド

劇場公開日:

マーシュランド

解説

スペインの田舎町を舞台に、連続少女惨殺事件を追う2人の刑事の目を通して町にうごめく深い闇を描き、スペインのアカデミー賞にあたるゴヤ賞で作品賞・監督賞など10部門を獲得したクライムミステリー。1980年、フランコによる独裁政治の爪あとが残るスペインのアンダルシア地方。湿地帯の小さな町で、祭りの開催中に2人の少女が行方不明になり、強姦・拷問された惨殺体となって発見された。捜査のために首都マドリードから派遣されてきた若手刑事ペドロとベテラン刑事フアンは、これまでにも同じような少女失踪事件が起きていたことを突き止める。さらに捜査を進めると、貧困や差別、汚職、小児性愛、麻薬密売など町に潜んでいた様々な闇が浮かび上がってくる。やがて、またもや1人の少女が姿を消し……。出演は「ゴースト・スクール」のラウール・アレバロ、「アイム・ソー・エキサイテッド!」のアントニオ・デ・ラ・トーレ。

2014年製作/105分/スペイン
原題:La isla minima
配給:クロックワークス
劇場公開日:2015年10月17日

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映画レビュー

3.5【”フランコ政権の秘密警察の亡霊が蠢くスペイン南部の街で次々に起こる少女連続惨殺事件。”貴方は誰が極悪なる犯人か、分かったかな?】

2024年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

■1980年、アンダルシア地方の湿地帯の町。
 祭りの最中に行方不明となった少女ふたりが変死体で発見され、マドリードから左遷された若いペドロと経験豊かなフアンの刑事コンビが捜査を担当する。
 だがヘロイン売買や少女売春など町にはびこる“悪意”が彼らの行く手を阻み、またひとり少女が姿を消す。

◆感想

・不穏なムードが今作のミステリー性を高めているし、序盤に映し出される少女の惨殺死体には、正直目を逸らしたくなる。

・ペドロとフアンが捜査を進める中で明らかになった事。それは、この田舎町に巣くう”極悪”の存在である。
ー 少女たちが”早く、この街を出たい”と訴える姿。-

・最後まで、今作の”極悪”はハッキリとは描かれない。企業家コラレスの可能性もあるし、惨殺された少女されたと同じ写真に写っている色男”キニ”の可能性もある。

<フアンが必死に犯人を追う姿と対比して、ペドロの落ち着き払った姿。そして、彼は血尿を出している。
 ラスト近くにペドロに協力していた記者が示す、若き日のペドロの姿。彼は、フランコ政権の秘密警察の一員で、多くの民を拷問し虐殺していた。
 これは、私の勝手な意見だが、コラレスもキニも超極悪なるペドロの掌の中で踊っていただけではないのか・・、と思ってしまった作品である。
 気になる方は、一度今作をご覧いただきたいモノである。>

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NOBU

3.5冒頭の湿地帯を俯瞰する映像がまるで人間の脳や血管のよう

2022年11月1日
PCから投稿

Prime Videoで鑑賞。
派手な演出や音楽もないものの、普段見慣れないスペイン湿地帯の広々としているのにどこか閉塞感のある映像に引き込まれる。
民主化したところで人はそう変わらない。湿地帯の底が見えないように人も多くの膿をその身に宿しているものだ。

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Jax

3.5渋い!

2021年3月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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toukyoutonbi

4.0【演技・演出・物語が秀逸。派手さはないのに見入ってしまいます】

2021年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

知的

難しい

・2014年製作のスペインのスリラー映画です。首都から左遷された刑事ペドロと、左遷先の町のベテラン刑事フアンのコンビが、強○されて殺害された2人の少女の事件を追う、という大枠ストーリー。
・「マーシュランド」の意味は、「湿地帯」という意味だそうです。

[お薦めのポイント]
1.深みのある演技
2.クリムゾンリバーやセブンのような重厚な雰囲気
3.目立つアクションが無くても見入ってしまう物語・演出
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
[物語]
・大きなアクションシーンがあるわけでもないのに、じーっと観続けられる素敵な作品だと思いました。
・色々と考えさせられてしまうラストシーン、これもすごいです。このラストは、もやるかたも多いかと思います。自分もその一人でしたが、これぞ、じめっとした「湿地帯」ならではの感じなのだろう、とタイトルが自己解決してくれます。笑

[演出]
・全体的に淡々と謎解きと刑事たちの人間模様を描いていて、雰囲気は「クリムゾンリバー」そのもの。相当前に観たはずの映画なのに、ふっと「あ、クリムゾンリバーだ」と思う出してしまうほど、雰囲気が似てます。他にも「セブン」ぽさも感じました。
・派手な演出で目を引いてラストまで持っていく手法ではなく、あくまでも「謎」と「人間模様」に主軸を置いて飽きさせない演出は圧巻です。

[映像]
・オールドフィルムのような色調や質感が、物語・演出にぴったりとハマっていて、より映画にのめりこませてくれます。

[音楽]
・主張しないであくまでも裏方に徹するようなBGM。音楽を強めに利用して共感性を高めるようなこともしておらず、あくまでも世界観を創る裏方に徹している感じが好きです。

[演技・配役]
・ペドロ役の「ラウール・アレバロ」さん、フアン役の「ハビエル・グティエレス」さん、どちらも知りませんでしたが、ぴったりとハマっている役者さん。
・ペドロ刑事は、強い正義感がありつつも若手刑事とは異なるが故の「葛藤」の様がとても良く伝わります。経験によって覚えてきた「大人の事情に対する行動」は、まさにペドロ刑事の年齢にピッタリな葛藤だと思いました。一方、フアン刑事は、さらにその上をゆく、その世界の「ドン」のような雰囲気を全体を通してしっかりと魅せてくれます。途中で流す涙から過去の出来事は、人前でみせる感情とは裏にある別人格を匂わせます。しかし、それは決して作中で観ることのできない姿。こういう想像をさせてくれる演技が抜群ではないでしょうか。

[全体]
・物語の流れ、重厚な雰囲気のある演出、サスペンス要素とスリラー要素が入り混じった見事な作品だと思いました。なんとなしに観た映画でここまで引き込まれたのは驚きです。
・友人にも勧めたいのと、自分自身、もう一回見て観たくなる一作です。ありがとうございました。

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