劇場公開日 2015年10月31日

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エール!のレビュー・感想・評価

全132件中、1~20件目を表示

3.5『コーダ』との違いは

2022年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

『コーダ あいのうた』を比べるためにもう一度観た。『コーダ』は何を変えて、何を変えていないのか確認しようと思ったのだが、根幹はほとんど同じだが、ディテールは結構違う。
『エール!』では主人公一家の仕事は酪農や農業だが、『コーダ』の方では漁業になっている。漁業にすることで船舶からの警告が聞こえないというシーンが生まれ、よりドラマティックな展開を生んでいたが、こちらの作品ではあのような命の危機を感じさせるシーンはなく、牧歌的な雰囲気が漂う。また、主人公の兄弟を弟から兄に変えている。姉が弟の面倒を見るのは普通だが、妹が兄の世話を焼くのは、長男のプライドにかかわるのでここでも緊張感が生まれる。フランス版の『エール!』はいい意味で、そういう緊張感が『コーダ』より少ないので、ほんわかしているのだが、これはこれで心地よい。クライマックスの感動はどちらも素晴らしく、改めてよく出来た作品だと思った。

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杉本穂高

4.5公開時に見逃していたのを後悔するほどの傑作!

2016年11月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

笑える

幸せ

両親と弟が聴覚障害者で、家族で唯一健常者のミドルティーンの少女が歌の才能に目覚め、都会の音楽学校への進学を目指す。かなり奇をてらったような筋書きだが、ユーモアあふれるエピソードの数々と、それらに説得力を持たせる演技と演出のおかげで、作品の世界に引き込まれたまま最後まで興味が途切れない。

「最強のふたり」もそうだったように、障害者と健常者のギャップと支え合いをユーモア交え感動的に歌い上げるセンスは、フランス映画の伝統的な長所であり美点だと思う。

主演ルアンヌ・エメラのいかにもあか抜けないルックスと美声も作品にぴったり。また、ヒロインの快活な親友を演じたロクサーヌ・デュランは、最新作「エヴォリューション」でまったく別の顔を見せる。彼女の演技の振り幅にも感銘を受けた。

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高森 郁哉

4.5成長と成熟を軸に、尊重しあう家族の強さを描く

2024年2月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

「エール!」と「コーダあいのうた」どっちを先に観る?という悩ましい問題について、原作(という表現で良いのかな)の印象に引っ張られないよう、「コーダ」の方を先に観ておいた。
結果、作品賞を獲ったりレビュー評価が高かったりする割に、面白味のない映画だったなという悲しい感想になってしまった。
とばっちりで「エール!」の方も興味が薄れてしまったのだが、月イチ開催の映画鑑賞会で是非観たい!というリクエストがあり、あんまり気乗りしないまま「エール!」を観た。

何これ、全然違うじゃん!めちゃめちゃ面白いじゃん!ストーリーほぼ同じなのに、笑えるところはちゃんと笑えて、しかも感動してホロッと来るじゃん!全部知ってるのに?!

リメイク作品がダメだというわけじゃない。「荒野の七人」や「バニラ・スカイ」、「ディパーテッド」は元の作品との違いこそあれ、1つの映画作品として洗練され、描きたかったテーマをとことん追求し、名作と呼ばれるに相応しい1本となっている。
しかし、「コーダ」は「エール!」が持っていたシンプルだけれど強いテーマに余計な要素が足され、本来のテーマを曇ガラスの向こうへ追いやってしまっていた。

「エール!」のテーマはズバリ「成長と成熟」、運命なんていう不愉快な観念をぶっ飛ばす「羽ばたきの物語」だ。
オープニング、主人公ポーラの一家が営む牧場での牛の出産から物語は始まる。産まれてきた仔牛はやがて我々が食べる牛肉になる。それは運命なのだ。白と黒の斑模様の牛たちの中で、たった一頭真っ黒な仔牛は、ベリエ家とポーラのメタファーである。
彼女もこの仔牛のように、運命に縛りつけられ、彼女の一生は変え難い運命に決定づけられている、ように見える事を狙ってこのシーンは存在するのだ。
この真っ黒な牛に、父ロドルフによって「オバマ」と名づけられ、以降も大事なシーンを担う。

考えてみれば、オバマ大統領だって白人ばかりの歴代大統領の中で今のところ唯一黒人の大統領となった、「YES,we can」の人である。しょーもない差別的なジョークなどではなく、畜産業における牛という「運命」を、「我々は変えていける」という重要なメッセージなのだ。

歌うことを選んだら、家族と離れなければならない。家族と離れてしまうことなど想像もできず、自分に自信も持てない。そんなポーラがふと目を止めた先で、オバマはポーラをじっと見返すのだ。
ポーラが見ているのはオバマを通した自分の姿だ。いずれ出荷される運命、私はそれで良いの?
ポーラに訴えかけるのは、牛じゃないオバマだ。自分を、可能性を信じて。「きっと出来るから」。

可能性を信じて闘うことは、父ロドルフ自身が選挙に出る事でも描かれる。父こそ、「耳が聞こえない」という運命をものともせず、自分の力を信じて、自分のやりたいことを真っ直ぐにやってきた。
成長というパートは、弟クエンティンの恋パートでも描かれる。女の子とスキンシップしたい!という欲求に素直に従う姿からは、聴覚が不自由であることへの不安も不自由さも一切感じない。
母であるジジが、ポーラのパリ行きを反対するシーンは、チーズ工房である。泣きながら「ポーラはまだ私の可愛い赤ちゃんなの」とすがる姿は、母の愛情とまだ子離れ出来ないジジの両面を描いている。それが熟成が必要なチーズとともに描かれているのが、また興味深い。
ジジにとっての「羽ばたき」とは、自分の子どもが手を離れ、一人前になることを見守れる強さを手に入れることなのだ。

成長、或いは成熟へのそれぞれの道のりが重なるように描かれ、互いが互いを必要とすること以上に、互いに尊重し合う。繊細で緻密な演出と構成が本当に素晴らしい。
この映画の中でハンディキャップは必要最小限の要素に留まり、メインのテーマを圧迫することなく、また不要で不可解な感動ポルノに変化することもなく、「当たり前」に存在する個性として捉えられるよう細心の注意が払われていると思う。

この象徴的なシーンの数々を生み出せるのに、なぜこの部分を残さなかったんだろう?アメリカにだって牧場はあるでしょうに。
逆にメロドラマチックに盛り上げようとして、「エール!」が持ち合わせていた各々の個性や、ポーラや家族や先生の気持ちを想像しうる「タメ」の時間が微妙に削られてしまっていた。

どう考えても「エール!」の方が良い映画なのに、なんでレビューの点数は逆なんだろ?

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つとみ

3.5素敵な家族愛の物語のはずなのだが…この家族をどうも今ひとつ好きにな...

2024年1月23日
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鑑賞方法:VOD

素敵な家族愛の物語のはずなのだが…この家族をどうも今ひとつ好きになれない。特に母。心変わりの訳分からず、最後の発疹は大丈夫だったのか(笑)主人公はまずまずなのだが、母への嫌悪感を吹き飛ばしてはくれなかった。
全編に漂うフランス🇫🇷的下ネタもあまり好きじゃない。あれがフランス🇫🇷文化なんですね。シティーハンターが喜ばれる訳がようやく納得できた(笑)
既に「コーダ」を見た既視感も邪魔したかもしれない。「コーダ」は感動したんだけどなぁ(笑)

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はむひろみ

3.0心温まる一作。

2023年8月28日
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本作のリメイク映画でる「コーダあいのうた」を視聴して素晴らしかったので、元映画であるこちらも視聴。

良かったです。

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みる

4.5素晴らしき歌声

2023年8月1日
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この映画の最大の魅力は、なんと言っても歌声にあると思う。
この女の子の歌声が、このように素晴らしい声じゃなければ、間違いなくここまでの評価される映画では無かったと思う。
映画の根源で有り、どのシーンも歌声が素晴らしいからこそ素晴らしいシーンに繋がると思う。
心から、この歌声に感謝したい!
もちろんコーダのほうも観ましたし、主人公の女の子も素晴らしかったが、エール!の女の子は別格だと思った!凄すぎる歌声。

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TenTenTen

2.0どうしても受け入れられない

2023年7月24日
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鑑賞方法:DVD/BD

リメイクと悩みましたがこちらを鑑賞。厳しい生活のなかで自分の夢と家族への想いで葛藤し、可能性を信じて旅立つようなストーリーを期待したけど、長閑な田舎街でのホームコメディ要素のほうが強い印象。身内での下ネタはどうしても・・・。

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げっちゃん

4.5家族愛

2023年1月27日
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 聴覚障害の家族の中で1人耳の聞こえるポーラ。日常の音に1人敏感なポーラの様子が冒頭に。トイレの音や食器の音、夫婦の営みなど。でも深刻に表現せず、昼間から始まった父母の行為に、友達と始まった〜と笑い転げるあたりは演出が上手い。病院で、炎症に薬を塗る塗らないの医者と夫婦のやりとりを通訳する高校生の娘。
 まだ高校生なのに、家業の酪農の経営に関しても、役場などとのやりとりはポーラを通して。大変な役回りです。
 父親はポーラがいなくなっても、自分たちでなんとかしなくては、との思いもあり、町長にも立候補するほど。母親はかなり助けてもらっていることは承知しながらも、まだまだ私の可愛い赤ちゃんとの思いもあって、遠くに行かせたくない。
 両親,弟を思い、一旦は自分の夢を諦めたポーラだったけれど、お父さんはちゃんとわかってくれて後押ししてくれた。
 夜中に起こして家族でパリを目指し、テストでポーラの選んだ歌がまた素敵。家族に伝わるように手話を交えて歌う場面は感動。
 学校の発表会で、合唱の場面で音を消した演出は上手い。両親にとってはまさにあの状態なんだから。
 とても、暖かい、ポーラも家族も、みんながんばれ!まさにタイトル通り、エール!

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アンディぴっと

4.5号泣した

2023年1月15日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

楽しい

興奮

こうやって大人になっていくんだな〜と最後に号泣させられた。性に対する開放感とか、家族の繋がりとか、イジメや仲間外れへの対応とか、文化の違いも感じれて、とっても良かった。

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とたすけ

4.0両親の心痛が伝わる。

2023年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ポーラの本意に気づいたとき、さぞかし切ない思いをしたことでしょうね。ご両親は。
その気づけなかった理由が、自分ではどうすることもできない障害が原因であったとしても。子の幸福を願わない親は、いないと思うので。
その心痛が、スクリーンを通して伝わるように思いました。評論子には。
良い作品だったと思います。

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talkie

5.0やっぱり泣いてしまった…

2022年11月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

コーダで本作を知り鑑賞。
コーダで免疫ができていたのに、やっぱり泣いてしまった…これは珠玉のストーリーだ!
フランスの田舎町の穏やかで美しい風景に、心暖まるあまりにもピュアな家族愛が、本当によく映えた。
本作もコーダもどちらも大感動作であったため、どちらがどうこうという個人的なコメントはひかえたい心境だ。

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いけい

3.5いい話でした

2022年10月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

音楽が心を打つ話はいいですね。聴こえなくても感動するところもいい。

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arlecchino

3.5良い映画だった

2022年10月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ハンデはあるだろうけど、理由はどうあれ、子供の夢は親は応援してほしいかな。あとお母さんがデリカシー無さすぎ。そこは共感できなかったけど。
でも主人公の演技がすごく自然で、歌が上手いのが何より良かった。
コーラス部の先生も最後良かった。
フランスの曲なのかな、あのデュエットの曲はあんま好きじゃない。
でも全般的にわかりやすくて、楽しめる内容だった。
評点:3.7

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bigsuke

5.0魅力的なルアンヌエメラ

2022年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ルアンヌエメラ扮する女子高生ポーラベリエは、家族で唯一言葉が話せる。牛の世話もしながら明るく育った。テレビでも両親に手話通訳している。父親が村長選に出る事になった。ポーラはコーラスをやる事にした。なかなかいい声だし、ルアンヌエメラはなかなか魅力的な女優さんだね。
歌の世界に行きたい娘の希望を受け入れられない聾唖の母親。娘はつらいね。でもやっぱり家族。 娘の希望は最大限叶えてやってほしいね。先生も素晴らしかったね。感動的なラストシーンで良かったよ。

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重

3.0ヤングケアラーの葛藤

2022年8月22日
Androidアプリから投稿

ろうあ者を親にもつ女子高生の物語。
弟もろうあで外との
コミュニケーションは
彼女なしでは成り立たない。
飼料の支払い、客との会話。
家族に振り回される中
そんな彼女にも魅せられる
ものに出会った。歌との出会い。
前に進むきっかけになる。
歌いながら手話をするシーンは
この映画ならではの見せ方で
とても良かったです。

どうでもいいですが向こうでは
生理や声変わりは遅いんですかね。

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to

4.0とても素敵で楽しい作品

2022年8月4日
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家族はこうありたい。

やりたいことがあれば思いやりを示しつつ進もう。

テーマの割に牧歌的でどこか不明瞭なのがとても人間らしくて良いね。

人生の輪郭はそんなに簡単にくっきりしないものね。

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大粒 まろん

3.0障害は、個性と言い切りたい!

2022年7月27日
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田舎暮らしの家族が聾唖者の娘の旅立ちストーリー。
親は、通訳と農作業をしてくれる人材がなくなるのが最初は怖くて、最後には、娘の夢への旅立ちを応援する少し泣ける映画。

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たけさん!

1.5耳が聞こえないことの大変さもこっち側の勝手な思い違いなことも考えさ...

pさん
2022年7月22日
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耳が聞こえないことの大変さもこっち側の勝手な思い違いなことも考えさせられた
娘の歌声を聞くことができないなんて悲しいこと言われたらずっとそばにいなくちゃって思うよな〜ってなった
こういう愛のある家族素敵だなって思った
何に対しても頑張っててえらい

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p

4.0最初にこっちを見てよかったと思う・・・。

2022年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

リメイクされた🎦コーダ あいのうたと本作品、どちらか一本を見るとしたらどちらがいいかと聞くと、かなりの確率で🎦コーダ あいのうたをと言われたが、二本見終わった今、圧倒的に本作品の方が良かった。何よりリアリティがあって、聾唖の方の生活のあるあると、もう一つ重要なのはフランスの田舎生活や価値観が極めて丁寧に描かれている。エンディングに向けた感動のストームは見事である。この作品の良さは選曲のセンスかもしれない。たとえ田舎の高校とは言え、ここに赴任してきた音楽教師の拘りは70年代半ばのフレンチポップ、しかもかなりシャンソン寄りのミシェル・サルドゥーである。日本では殆どなじみがないが、フランスではかなりメジャーなシンガー。このシャンソン寄りの楽曲で埋め尽くした現代のフランスの地方の描写が、ダサい、新しい歌が歌いたいという学生たちを飲み込んでいく。発表会はまさに満場の喝采で埋め尽くされる。それは手の振動を通して父に届く。この描写のプロセスがウザい迄の家族主義の障害者家族の苦悩と、ひとり健常者でその家族の期待の星であった娘の自立と家族の理解が本当に愛に満ちた描写で美しく描かれている。そして感動に導いてくれる。心温まる良作である。

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mark108hello

3.0エールの意味はyellじゃなくてair(空気)

2022年6月28日
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鑑賞方法:TV地上波

笑える

楽しい

幸せ

いやはや、さすが愛の国フランス。中学生なのにエロスがすごい。日本だったら大問題になるのに、フランスだと思うと普通の事として受け入れられるから不思議。

外国✖️障害(本作は聴覚)は初めて。聴覚障害を持つ家族の中で一人の健常者が主人公。これもまた新鮮でよかった。

主人公が目指す夢は、聴覚障害の人には分からない「歌手」。家族にとっては自分たちの世界にはないものなので当然理解出来ない…。
その上、家族にとって「健聴者との通訳」として自分は欠かせない存在。
夢と家族とで揺れる主人公を応援したくなったし、中学生に重荷を背負わせすぎる両親にも腹が立った。

でも、いきなり聴覚障害者の世界に入れられた。すごく聴きたいのに聴こえない。悔しかった。見事。
聞き逃してしまった気持ちを引きずっている中でのラスト。涙なしじゃ見られない。

愛の国に驚きながらも感動は同じ。障害がテーマだけど文化の違いがいい味出して軽快に楽しく観れるので、ぜひ観て欲しい!(過激な表現が多いので注意)

余談ですが、邦題「エール!」がピンと来なかったので、調べてみるとairの方のエールらしい。聾唖者にとっては、歌を「聴く」ではなく「感じる」から来てるのかなと。「空気を読む」の空気もairを使うらしいので、聴衆の空気(反応)を読むから、airでエールになったのかな…。

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りりまる