劇場公開日 2015年10月10日

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「白組ガンバ(^∇^)b」GAMBA ガンバと仲間たち shironさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0白組ガンバ(^∇^)b

2016年7月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

なんと言ってもTVアニメの金字塔、出崎統監督の『ガンバの冒険』で育った世代ですから、あれを越えるアニメはまず無いであろうと思いつつ…。原作キャラのマンプクが復活しているのと、古沢良太さんの脚本なので、DVD販売記念試写会に応募しました。

結論から申し上げると、白組ガンバ、実に良かったです。(T_T)

序盤の忠太があまりにも健気でいじらしく…そこから先も、ほぼ泣き通しで、ボーボに至っては涙腺崩壊でした。(BBAだから余計に沁みるのかも?)

出崎ガンバは、原作の15匹の仲間たちの個性を6匹に集約し、半年かけてそれぞれの長所はもちろん、短所まで愛すべき個性として描きあげていきましたが、
白組ガンバは、92分という短い時間に物語を収める為に、15匹の個性を見事に再集約し直した感じでした。

例えば、シジン。
出崎ガンバには居て、白組ガンバには居ないキャラですが、
いつも呑んだくれていて、全く戦力にはならないし、中途半端な詩ばかり作っている…
シジンの魅力は、半年かけないと伝わらないでしょう(笑)

白組ガンバでは、出崎シジンが担っていた医者的な役割を、ガクシャに戻していましたね。

ガクシャも同じで、出崎ガンバのガクシャは、頭脳明晰で博識なのを鼻にかけてて、いつも上から目線の嫌な奴。
でも、旅を続ける間に、小さい身体や短いシッポにコンプレックスを抱えていることが随所にあらわれてきて、嫌な物言いですら愛おしくなってくる…
やはりこのへんの魅力も半年かけないとね(^^;;

ってか、白組のガクシャが素敵すぎ!惚れるから!!
半年かけられない分、最初からカッコイイです。
ヨイショの参謀的な居住まいがとても絵になるし、知的ななかに大人の穏やかさと色気があってな( ̄+ー ̄)

ファーストガンダムで池田秀一さんの声に惚れるように刷り込まれておりますもので、耳が幸せでたまりませんでした(≧∇≦)

声優と言えば。
出崎ガンバの野沢雅子さんが、ガンバを助ける立場でご出演なさっているのも感動ですし、
出崎ガンバでノロイを演じた大塚さんの御子息が、ヨイショとしてノロイに立ち向かうシーンには感慨深いものがありました。

でも、取り分け衝撃だったのは矢島晶子さん。
エンドロールでお名前を見るまで、全く気付きませんでした。
スゲイな。

潮路役の神田沙也加さんも素敵でした。
優しさと芯の強さはそのままに、これまでにはない大活躍を見せてくれるNEW潮路。
クライマックスのコントラストは鳥肌モノ!!

細かいところですと、
海岸線を走ってきたガンバと忠太が波に濡れた体をブルブルッと振るうシーンがあるのですが、ああいった絶妙なリズムのシーンに子供はハマりますよね。
子供が置いてけぼりのアニメが多い昨今、きちんと子供の為に作られているアニメだと感じました。

そして、エンディングも
「ちゃんと目を向ければ、自分のすぐ近くにも、こんな仲間達がいるんだよ。」というメッセージを感じて、とても素敵でした。

諦めない気持ちはもちろんですが、
相手の個性を認めて、自分に不足しているところをそれぞれ補い合うことで強い力が生まれる。
(イカサマがボーボの言葉にハッとさせられるシーンが大好き!)
自分だけの世界から、他者を意識し始めて、徐々に社会性が芽生える幼少期に、是非見ておくべき映画です!( ̄▽ ̄)b

短い時間の間に、島ネズミ集団のなかの反乱分子を入れてくださったのは嬉しかったです。
70年代の作品には欠かせないポイントですから。

あと、出崎ノロイは私にとって脅威でしたが、現代っ子には白組ノロイがどう映ったのか…
とても興味があります。

監督お二人によるトークショーでは、いろんな裏話や苦労話しが聞けて楽しかったです。

フルCGアニメと言えば、ピクサーやドリームワークスが筆頭に挙がると思いますが、それぞれの良さがあって私も大好き(^ν^)
でも、細やかな演出や心理描写なら白組に軍配が上がると思います!

アヴィ・アラッドさんのプロデュースで一気にシェアが世界に広がったのでしょうが…カットされたシーンも見たかった~ (>_<)
世界が求めているのは、世界標準のクオリティなんかより、飛び抜けた独創性だと思うので、
今後も白組の得意とする部分を、どんどん見せてほしいです。( ´▽`)

フランスで公開されるそうですが、フランスの人達の心にも届くよう、切に祈ります。

shiron