劇場公開日 2016年2月11日

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「憧れ美しく燃え」キャロル 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5憧れ美しく燃え

2016年8月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

難しい

1950年代、うら若きデパートガールとミステリアスな人妻の愛を描き、カンヌ国際映画祭女優賞受賞、アカデミー賞主演女優・助演女優ノミネートの話題作。
非常に気になる作品であったのだが…、自分には合わなかった!(>_<)

高水準の秀作である事には全く異論無い。
映像は美しいし、50年代を再現した衣装、美術、車や小物…隅々まで画面に映え、目を奪われる。
ハンサムウーマンなケイト・ブランシェット、瑞々しいルーニー・マーラ、二人の女優の名演に誰が文句を付けられようか!
ケイトの煙草を吸う佇まいが男性から見てもしびれる。
デパートで、ほんの一瞬視線を交わしただけの“出会い”の演出が秀逸。
情感たっぷりのムードに酔いしれる。

だけど、どうしても最後まで話に入り込めなかった。
多分、本作はあくまで女性主観の作品であるから。
キスシーンやラブシーンはあるにせよ、二人の関係は“恋慕”じゃなく、“愛”。
もっとよく言うと、ルーニー演じるテレーズのケイト演じるキャロルへの憧れ。“憧愛”とでも言うべきか。(造語だけど)
若い女性は年上のかっこいい女性に憧れを持ったりするようだけど、男はおっさんにそんな感情持ったりしないからなぁ…。

キャロルから見たテレーズはどうだろうか。
夫と離婚調停中はまだしも、幼い子も居るのに、若い女性にうつつを抜かすのは解せない。
男目線、夫からしてみれば、何とも複雑。
愛の形は様々、別に女性同士の愛を否定するつもりは全く無いが、夫の反応は真っ当だと思った。

テレーズのキャロルへの愛は、彼女が大人になった時振り返れば、ほんの一時の憧れ。
キャロルのテレーズへの愛も、ほんの一時燃え上がった感情。
時代背景も含め、決して成就しないのは分かっているが、刹那的な愛の形は哀しくも美しく。

近大