劇場公開日 2016年1月30日

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「素晴らしいジョニーデップの怪演!」ブラック・スキャンダル Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0素晴らしいジョニーデップの怪演!

2016年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

FBI最重要指名手配犯10人の一人、
ジェイムズ「ホワイティ」バルジャーが
2011年に逮捕されたのは記憶に新しいですね。

そんなボストン暗黒街最後の大ボスが
70年代にFBIと手を組んでイタリアマフィアを潰した、
実話スキャンダルドラマです。
持ちつ持たれつだった関係が、
仲間たちの裏切りで祭り上げられた
コノリー捜査官とジミー。
ノンフィクション好きの僕は、期待大です!

そういえば、
イーストウッド監督のミスティック・リバーや、
スコセッシ監督のディパーテッドなど、
ボストンが舞台のギャング映画は
たくさん作られてきましたね。
それはきっと長年アメリカを悩ませてきた
アイリッシュ系マフィア、
すなわちこの主人公のイメージが強いのかな。

映画は実話に徹して、
俯瞰的な視点で描かれていきます。
時折裏切って恩赦をもとめた
共犯者の取り調べシーンを挟む演出で、
実話の緊張感を持続。
そして家族と仲間を大切にしながら、
一変して狂気をむき出しにする犯罪者を、
淡々と描いていきます。
でも殺し方も地味だし、
取り立ててイベント的な山場もないです。
それがリアリティなんだけど、
飽きちゃう人もいるかも。
僕はかえって入り込めましたけどね。

そしてエンドロールでお約束の、
リアルな犯罪写真のオンパレード。
映画で再現されたシーンを、
改めて見せられると身震いします。
監督がこだわって追求したリアリティを、
実感です。

なんといっても、
ジョニーデップが凄まじい。
昨今はオーバーな演技に飽き気味だったけど、
久々に実力を魅せつけられました。
これはジョニーの映画といっても、
過言ではありません。
衝動的に冷酷な行動を起こす、
全く救いようのない孤独な男を、
身を削って演じきってます。
実話好きのアカデミーだから、
ジョニーの念願な
主演男優賞に届けばいいですね。

イミテーション・ゲームが名演だった
注目のベネディクト・カンバーバッチは、
凛として兄ジョニーとの対比が見事でした。
様々な作品で怪演を見せてくれる
ケヴィン・ベーコンも、
嬉しくなるくらい立ち位置が分かってますね。

あとは楽しみの一つである、
70年代のディテールもよくできています。
垢抜けないファッションや街並みや車も完璧。
彼が乗っていたであろう、
75年のマーキュリーモナークなど、
よく探してきましたね。

デートムービーとしてはどうかと。
エンタメを期待すると辛い時間が続きます。
両側のカップルは退屈そうでした。

けど真のジョニーデップを
きっちりと楽しみたいなら、
劇場で観るべき映画ですよ。
きっと忘れられない作品になるんじゃないかな。

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