劇場公開日 2016年7月8日

「歴代最もメンバー愛に溢れる作品」存在する理由 DOCUMENTARY of AKB48 りゅさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0歴代最もメンバー愛に溢れる作品

2016年7月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

本作は、AKBが10年間続いたわけは何か、そして今後はどうなっていくのかという二本柱で成り立っています。

上記の問いは、言葉で説明されることなく、現在のメンバーの活動や一部卒業生の人生を観察することで考察されます。

若手の中にも推されるメンバー、うまくいかないメンバーそれぞれに苦悩があってもがいている。そして、AKBグループの中にいながら「本隊」とは異なる活動をしているチーム8は、ひたすらにがむしゃらに公演を続ける。これら若手の活動は、かつての初期メンバーと重なり、観客の胸を揺さぶる。あー、こうした活動を地道に重ねて10年間続いてきたんだなーと感じさせられます。

他方で「たかみな以後」のAKBは、そしてAKBメンバーはどうなっていくのか。本作のインタビューシーンにも出演したももクロマネージャー川上氏の言葉のように「タレントを幸せにする」ことができるかを模索したいとい眼線を感じました。これはメンバーに寄り添って、カメラを携えて撮影を続けた石原監督だからこそのディレクションではないでしょうか。頑張った人は報われてほしい。仮にAKBの活動中はうまくいかなくても、海外にわたることで、飲食店を営むことで、母親になることで、それぞれの居場所が見つかるかもしれない。

このような作りなので、残虐ショーの様相を呈していた過去作までのおもしろさを求めている方には物足りない部分もあるかもしれません。私は、アイドルによりそうスタッフの優しい視線に涙をしてしまいました。歴代のAKBドキュメンタリー作品の中で、最もメンバー愛に溢れた作品だと思います。

りゅ