劇場公開日 2015年3月13日

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「雰囲気的には嫌いじゃなかったが」ブルックリンの恋人たち スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0雰囲気的には嫌いじゃなかったが

2018年1月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

幸せ

「ブルックリンの恋人たち」の、たちの部分に若干違和感を覚えた作品ではありましたが、雰囲気的には嫌いではない作品でした。
しかし好きと言うにはもう一つ心に来るものが無かったのもまた正直なところで、結局のところ私の中では嫌いではない止まり・・・ホント雰囲気的には嫌いではなかったんです、心地良い音楽をバックにニューヨーク・ブルックリンの各地を訪ね歩くような感覚も味わえましたし、大人のロマンスな部分でも、感覚的には楽しめました、けど、何となく物足りないと言うか、もう一声欲しかったと言うか、まあお互いがそれぞれにあまり執着していない辺りが大人と言えば大人とも言えるのですが、見ている側もどこかこう満たされない思いに苛まされて、何とも言えないもどかしさを感じてしまった作品でしたね、雰囲気は返す返すも嫌いではなかったのですが。

まあもう一方の主役とも言える音楽の方で嵌れれば、また印象は全然違ったのかもしれませんが、心地良くて哀愁も感じれて、これも雰囲気的には嫌いではなかったのですが、心に刺さるところまではいかない的な、微妙にノリ切れていない自分もいたりして、音楽の方でももう一つ掴み切れない部分があった作品でした、ってそこは好み問題が大きいと思うので、勿論好きな人にはたまらない音楽なのでしょうが。
ただジェームズを演じたジョニー・フリンはやはり現役のシンガーだけあって、さすがの雰囲気を醸し出していましたね、それと有名シンガーなのに押しの弱い感じと、漂ういい人臭はキャラ的に結構好きでした。

問題はお相手のフラニーの描き方かな、結局終わってみても、どんな女性なのかいまいちよく分からなかった・・・。
アン・ハサウェイの存在感でまあ何とかなっていましたが、描き方としては微妙だったような、いくら雰囲気で魅せる映画とは言え、もう少し彼女へ感情移入できる何かが欲しかったかな、弟への急な思い入れも何となく遠い目でしか見れませんでした。
まあ家族のことって知っているようで知らない部分が多いのは確かにそうなんで、失いそうになったからこそ急にあんな感じになったのも分からないではないのですが。

ただお互い孤独な空気感に苛まされていた2人だったからこそのロマンスは、まあ状況はさて置き、心の隙間を埋めるような大人の儚い恋って感じで、これも嫌いではなかったです。
アンの控えめに、恥ずかし気に歌う歌声も、結構好きでした。
状況が違っていたら、もっとお互いに執着したのだろうか・・・。
まあこんな静かなるロマンスも、雰囲気的には悪くなかった、けどやはり盛り上がりには欠けたので、尺が短い割に長さは感じてしまった作品でしたね、音楽を使った盛り上げ方にもう一工夫あれば良かったのですが・・・。
とは言え、アン・ハサウェイ鑑賞映画としては、十分すぎるぐらい堪能できましたけどね。

スペランカー