劇場公開日 2016年1月23日

「ドラマで完結させるべき」信長協奏曲(ノブナガコンツェルト) CRAFT BOXさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ドラマで完結させるべき

2016年12月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

フジテレビは、相も変わらず、連ドラの最終回に含みを持たせて「続きは映画で」的な手法を続けているが、そんなドラマの映画化のなかでも、本作は特にドラマの延長線で作られている。

現代の少年が、戦国末期にタイムスリップし、そっくりな織田信長と入れ替わって歴史を作っていくという漫画原作をドラマにしたものだが、ドラマの最終回が浅井長政を攻め滅ぼした「小谷城攻め」で終わっている。映画はそこから「本能寺の変」まで。ドラマで完結できるものを、あえて映画化しており、要するにドラマの最終回を映画館に持っていき一儲けしている。それはそれで構わないときもあるんだが、本作はドラマ終了からほぼ2年ほどたってから劇場公開された。明らかに遅すぎる。だからって、映画単体で鑑賞に堪えられる構成になっているかといえば、ドラマを見ていなければほとんど面白みは理解できない構成になっている。要するに、ドラマの最終回を2年間も待たされて、わざわざ1800円を払わされて見させられているのだ。まったくもって、拝金主義としか言いようがない。

そもそも、織田信長を「戦国の世で天下統一を目指し、その直前に本能寺の変で死んだ」程度に理解している若い子を視聴者としてメインターゲットにしているとはいえ、ファンタジーって言葉では納得できないほど、歴史物語としての面白みはほとんどない(漫画原作も最初の頃は、一応、歴史物の面白さを発揮していたのだが……)。この映画の背景となっている時代は、高校生がタイムスリップしてから、およそ30年以上経過している時代を描いているはずなのに、わずか数年の出来事として描いてしまっているため、そうした歴史的な流れは無視せざるを得ない。その分、自由に創作できる事になるが、その創作部分が面白くも何ともない。
ドラマでは、織田家家臣団を集団男子青春物として描いていたが、映画ではその部分もほとんど描かれていない。
まったくもって、フジテレビはひどい事をすると腹立たしい。

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