劇場公開日 1966年2月

初恋(1952)のレビュー・感想・評価

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4.0なかなかなの良作

2019年7月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

オードリー・ヘップバーンが出演しているということだけではなく、映画として十二分に面白い佳作です
前半の恋愛物語から後半のヒッチコック風サスペンスが上手く融合されています

オードリーは主演とは言い難く、準主役でも大袈裟で準々主役の脇役よりはましぐらいの出演です
クレジットも三番目で文字も小さめ
でも真ん中に書いてあるのがちょうどよい書き方でした

しかしながら彼女の出演シーンは彼女だけが画面の中で輝いており、確かにその後のブレークのきっかけになったであろうと納得できるものです

彼女は出演時23歳ですが役通り高校生ぐらいに見えます
骨格の華奢さ、細い筋肉だけの脂肪の膨らみの無さは、正にバレーを子供の頃からしていた女性特有の体型そのものです

本当の出演は姉役のヴァレンティナ・コルテーゼ というイタリア人女優です
スペインのフランコ将軍を彷彿とさせる人物と国が登場しますのでラテン系の女優です
この人は演技は達者なのですが、それなり程度の美人で、もう少し美くしい女優を主演に持ってくれば良いのにと思うのですが、その理由は終盤になって成る程そういう配役だったのかと分かります

その恋人役のルイ役のセルジュ・レッジャーニのどこか酷薄な雰囲気も配役の成功で映画を牽引します

カメラワークも良く、ルイがマリアをテロリストに引き込む際のシーンでは彼の背後からマリアを撮り、マリアと彼の背中の間の鏡を画面の中央において、彼の酷薄な表情をそれに写して見せるなどなかなかなやるなと唸るものでした

原題はシークレットピープルでお話の内容を的確に表していますが、邦題の初恋の方がこの物語はマリアの悲恋の物語であることを指し示しており、こちらの方がより深く内容を表現できております
ありきたりな邦題のようで大変見事な上手い付け方です

オードリー・ヘップバーンのファンなら是非
そうでなくても本作を期待せずに観たならば、思った以上に面白かったと驚いて得した気分になれるはずの作品です
観て損のない良作です

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あき240