エヴェレスト 神々の山嶺(いただき) インタビュー: 岡田准一が求め続ける、飽くなきチャレンジ精神

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エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)

劇場公開日 2016年3月12日
2016年3月9日更新
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岡田准一が求め続ける、飽くなきチャレンジ精神

夢枕獏原作のベストセラー山岳小説「神々の山嶺」。世界最高峰のヒマラヤ山脈エベレストを舞台にし、そのロケーション、内容から実写映像化は不可能とされた作品を、奇跡的な顔合わせで映画化したのが「エヴェレスト 神々の山嶺」だ。野心あふれる山岳カメラマン深町が、失踪中の天才アルピニスト・羽生とカトマンズで偶然出会ったことから始まる、狂気にも似た不可能への挑戦を描いた本作。風呂も水道もない氷点下&標高5000メートル以上のロケ撮影などを経て完成しただけに、さぞかし苦労が多かったと想像に易い。だが、深町を演じた岡田准一は「つらかったことはひとつもありませんでした」と驚きの余裕を見せる。(取材・文/よしひろまさみち)

「山での撮影に関しては、山屋と呼ばれる山岳コーディネーターの皆さんが僕たちの安全をガッチリと守ってくれたので、全く不安はありませんでした。実際に登山をしながらロケ地に向かいましたが、僕を含めてほとんどのスタッフ、キャストは高山病にもかかりませんでしたし、5000メートル以上の場所に行かなければ見られない景色というものに感動するばかりの毎日でした。つらかったのは演技ですかね(笑)。羽生を常に追いかける深町というキャラクターを理解しないといけなかったので、僕もカトマンズにいるときから山の撮影までずっと、阿部寛さんを追いかけ続けていましたよ(笑)」

阿部とは初共演の岡田だが、役作りのためにも常に阿部と行動を共にしていた。街での散歩や買い物はもちろん、「トイレに行くときまで阿部さんにくっついていました」という。

「深町と僕は全くタイプが違うんですよ。彼は周囲の人を傷つけてでも自分のために動く、という人。映画作りをしている者としては、そんなのは絶対ありえませんよね(笑)。芝居がうまければ一流かと言われたら必ずしもそうではない、ということでもわかるように、映画作りは周りを見ないとできない仕事ですから。でも、山登りに関しては、映画作りと似ていると思っています。一歩一歩リスクを恐れず踏みしめて登ることと、ひとつずつ小さいことを積み上げていくことでいい映画ができていくことと、共通していますよね。ただ、僕がそれをするには、仲間が必要。深町や羽生はそうじゃなくて孤高の人、ということが違うんです」

日本映画界を代表する男優の中でも、特に身体能力の高さに評価が高い岡田。実は「この話をいただいたときは『やった。仕事でエベレストに行ける!』と思った」というほど、この撮影を楽しみにしていた。

「もともと僕はこの仕事を楽しみにしていましたから、エベレストという場にいて喜びの方が上回ったほど。もちろん低酸素トレーニングやアイスクライミングといった、僕が未経験のことはトレーニングしていましたし、現場では一流の山岳チームにしっかりサポートしてもらいました。確かに崖なんかは下からの風で体が浮く感覚があって、ドキッとしたんですが、怖がっていたら身動きが取れなくなるような場所でしたからね。よく山屋の方は『危なかったら逃げて』と言っていたんですが、逃げ場がないんですよ(笑)」

最近の岡田は、あえて身体的にハードな役を積極的に手がけているようにも見える。なぜそこまでチャレンジをするのだろう、と問うと「たしかに続いていますよね(笑)」と理由を教えてくれた。

「敢えて僕が身体的な挑戦を重ねたいと思っていたわけではないのですが、30歳を過ぎてから明らかにそういったオファーが増えたと思います。一方、僕自身も常に『無謀なことをやってみたい』とか『リスクの高い方を選ぶ』というタイプなので、そういった役を求められていることはうれしいんですよ。俳優って、役に愛されることを求めてもいるんです。それが時に実現すると、それは代表作になる。それには運もあると思いますが、こうして求められる役に挑戦し続けていくことで、そこに近づけるのではないかと思うんです」

この作品を通して、役者としてさらに大きくなったように感じる岡田。撮影を終えた後、やってみたいことができたそうだ。

「機会を作って、メラ・ピーク(エベレストやローツェなど、5つの8000メートル級の山々を見ることができるトレッキングピーク)に挑戦したいですね。5000メートル級の世界を見たら、欲が出ました。日本にも神々が宿る山というのは存在しますが、神々に近い場所というのはあそこにしかないし、その風景というのもあそこにしかない。そう簡単には経験できないことを、この映画ではさせていただきました。映画の中では、僕らが見た景色を追体験してもらえるはずです」

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