劇場公開日 2014年12月20日

  • 予告編を見る

「前評判どおり、面白かった!」百円の恋 CBさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5前評判どおり、面白かった!

2018年4月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ボクシングというスポーツと、場末、カスな人生、下町があうのは、あしたのジョー以来の伝統だが、自分は実はこの場末感がそれほど好きではない。この映画も同じ。主人公 "一子"(安藤サクラ)は悪いやつではないのだが、そのだらだらと弛緩した生き方が前半でこれでもかと描かれ、彼氏も百円ショップの店員たちもいやになるほどダメな人たちで、主人公が巻き込まれる出来事にも辟易するばかり。

しかし主人公がボクシングをはじめてからの後半は、"体とともに動きがシャープになっていく心地よさ" を観客までリアルに感じることができる。うまい。音楽にひきずられやすい俺だから、音楽でそう感じている面もあるだろうが、そうだとしてもこの映画のように気持ちよくだましてくれるのなら大歓迎だ。
前半でいたるところで流れ、いやな感じで耳に残っていた百円ショップの歌を、リングにむかう主人公がテーマソングで使い、「しょせん百円程度の人生だから」とつぶやくシーンでは、いやな音楽に聞こえない。すごい。
とても好きなボクシング映画でした。「リアルなんじゃない?」と感じさせてくれる。監督のボクシング愛を感じる。ボクシングを "劇的な道具" として使った「ああ、荒野」とは対極の位置にあるように思う。自分は圧倒的にこちらが好き。
爽快なシーンがあるわけでもなく、主人公に感情移入していくわけでもないのに、なんだか涙出た。すっきりした。「シャープになる」ことの気持ちよさがにじみ出た映画と思う。
安藤サクラ、どうもありがとう。撮影期間の間に、あれだけ体を作り変えてくれたからこその、感激だと思う。
そして最初から最後まで安藤サクラをブスに撮り続けた監督もすごかった。リアルさはそこに生まれたように思う。これだけブスを観続けて感動したのは初めてだ。

おまけ:新井さん、カスっぽい役、うまいっすね。

-------
2019/10/1 追記
新井さん、ホントにカスだったなんて。笑えないよ。

CB
琥珀糖さんのコメント
2022年11月12日

長々と書いた拙文読んでいただいてありがとうございます。
ボクシング映画もプロレス映画も見るのは大好きです。
「負け犬の美学」のマチュー・カソビッツも素敵なお父さんでしたね。
ボクサーはリンクでは殴り合いですけれど、実生活では女を殴ったり
しないとこがイイのかも知れません。
マチュー・カソビッツも森山未來も実生活では情けないほど、
優しい人ですものね。

琥珀糖
サプライズさんのコメント
2021年12月23日

コメントありがとうございます!
本当に上手いですよねぇ。
ラストシーンが心に響きますよね、武正晴監督のボクシング映画は。ああ、荒野はまだ見れてないんですよね...。家でとなると前編後編は重い笑
新井浩文さん、ホントにカスだったなんて笑笑笑

サプライズ