劇場公開日 2014年12月20日

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「自称残念女子達よ…見るがよい」百円の恋 ちややんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自称残念女子達よ…見るがよい

2016年9月5日
iPhoneアプリから投稿

まず、実家の生活感ある汚さは、そのまま汚い家を撮影したのか、美術さんが心を込めて汚くした感じがしてとても好きです。

言いたいことが一言あって
映画でもドラマでも漫画でも

「私は残念女子をうたった作品にうんざりしてるんだ!!」

出てくる残念女子はなんだかんだで、美人だったり、モテたり、金があったり、才能あったり社会的地位が確立して表現されている残念ぷりを簡単に超えていくのでどっこも残念なんかじゃない。

残念女子とでもうたえば売り上げ上がんのか?とでも聞きたくなるほどに残念女子作品が世に蔓延するが、
あくまでも商業用残念女子なので鑑賞のテンションを維持できる為にそれなりの社会的地位は確立された個体ばかりである。

しかし、この作品はどうだろう。残念女子とはうたってないが社会的地位が無に等しく残念女子どころの話ではない。よくここまで描写したと言わざるを得ない。

こんなのでは映画鑑賞のテンションが下がる一方だと思われがちだが、
それ以上に周りのキャラクター描写が丁寧で、役者もよく、ギャグもセリフまわしもきれていて、主人公が鬱屈とした世界の中で生きてるかんじがものすごく伝わってくる。純粋に作品のパワーが強いので、テンションが下がるどころが上がる一方だ。

結局は、自称残念女子系作品は観客のテンション維持に努めようがつとめまいが、作品として骨細なものが多すぎなので、えらそ〜〜にいうがこれでも見て欲しい。それぐらい嫌いなの。

その分この映画の凄さが際立っているのは言うまでもない。

ちややん