劇場公開日 2015年2月7日

  • 予告編を見る

「エイプリルが嫌な奴過ぎて素直に楽しめない作品。」ミュータント・タートルズ Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0エイプリルが嫌な奴過ぎて素直に楽しめない作品。

2015年2月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

幼少期に観たアニメや実写映画。
「緑色の全身タイツを来た井手らっきょ」的な風貌。
東洋テイストが混在した似非忍者感。
ピザを頬張りつつ、キャッキャッはしゃぐ若者感。
全体的にコメディテイストの強い作品という印象でした。

そんな若者向けの老舗コメディ作品に。
多額の資金と最新の技術を突っ込みマイケル・ベイ印を押したら。
…VFX満載の今時のアレ系映画にキチンとなっていました。

まず本作の主要人物達の見た目のカッチョ良さ。
メインを張るタートルズの風貌。
VFXを駆使してリアルな…リアル過ぎる激マッチョ。
小さな井手らっきょ的なコメディ感は微塵も無く。
ボブサップ系のエグくてゴツい風貌に。
予想外に化け物然としており彼等の格闘場面の迫力はグッと増していました。

敵役のシュレッダーの見た目も拗らせ青少年の夢がMORIMORI。
御馴染みの銀の鎧姿を脱ぎ白銀に光るハイテクアーマーを着用。
両腕から飛び出る無数の剣…というギミックも相まって。
良い意味での過剰感に仰け反りました。

また御家芸であるガッチャガチャアクションも健在。
アクションの圧縮陳列、ラーメン次郎、オーバードース。
観る側が事態を呑みこむ前に次々と畳み掛けて情報量で圧倒する。
次第に自分が何を観ているのか、状況が分からなくなる。
中盤の見せ場である雪山での攻防では「アレ系映画を観てるな」と実感しました。

勿論、話や設定はガッタガタ。
しかし「アレ系映画」で整合性を求める方が無粋というモノ。
紳士たるもの悠然と構えて気にしない。
いや本当は色々と気になるけど。
我慢出来なくもない。
大人だから我慢した。

では本作、俗に言う「素直に楽しめる」作品か。
…個人的には或る大きな問題があって序盤から楽しみ切れませんでした。

それは『エイプリル・オニールが物凄く嫌な奴』問題。
彼女を軸に話は進んでいくのですが彼女の行動が実に自己中心的。
地下鉄での或る行動を目にした時の失望感。
自身の手柄のために周りを危険に晒す身勝手な行動にドン引き。
以降、彼女が何をしてても癇に障る。ノイズになる。素直に楽しめない。
タートルズ達のアクション畳み掛けが続く中盤以降は登場頻度が下がるため安心していた…のも束の間。
雪山での或る行動に「あ、やっぱコイツ最悪」と再度指さし確認。
最後の最後まで挽回することなく話は終了。
鑑賞後、胸に残るのは「エイプリル・オニールが物凄く嫌な奴」ということのみ。
…もう少し何とかならなかったものでしょうか。。

エイプリルが嫌な奴過ぎて素直に楽しめない本作。

エイプリル・オニールの行動が気に障らない方であれば。
オススメです。

コメントする
Opportunity Cost